「第1回映画のまち調布賞」授賞式が3月2日、イオンシネマ シアタス調布(小島町3)で開催された。
同賞は、主に映画製作の現場を支える技術者や制作会社といった「映画のつくり手」に贈られる賞で、映画文化、芸術、産業の振興に寄与した映画・映像作品およびその製作に貢献した人物や作品を顕彰する。2017年10月1日から2019年9月30日までに国内の商業映画劇場で有料で公開された日本映画を対象に、調布市民およびイオンシネマシアタス調布来場者による人気投票を行い、撮影賞、照明賞、録音賞、美術賞、編集賞のノミネート作品を選出。その中から映画・映像に造詣の深い有識者による選考委員会で討議の上、受賞者を決定した。このほか、前述の人気投票数第1位の作品に贈られる作品賞、同市の映画文化、芸術、産業の振興に貢献と実績を残した人物へ贈られる功労賞の計7部門から構成される。
授賞式は、2月16日から約1カ月にわたり同市内で開催されている「映画のまち調布 シネマフェスティバル2019」で実施され、同フェスティバル名誉会長の長友貴樹調布市長の開会宣言を受けてスタート。撮影賞に「モリのいる場所」の月永雄太さん、照明賞に「空飛ぶタイヤ」の長田達也さん、録音賞に「空飛ぶタイヤ」の栗原和弘さん、美術賞に「モリのいる場所」の安宅紀史さん、編集賞に「ちはやふる -結び-」の穗垣順之助さん、功労賞は、高津装飾美術会長の南孝二さんが受賞したほか、人気投票で最も票を集めた「万引き家族」が作品賞を受賞。受賞者には、トロフィーと賞状が授与され、副賞として同市特産品の深大寺そばが贈られた。
編集賞を受賞した穗垣順之助さんは「『ちはやふる』という娯楽作品の編集を評価していただいたことに大変驚き、そしてとてもうれしい。調布市は自分にとって映画の仕事を始めた原点の街。日活芸術学院で学び、日活の編集部で過ごした時間はかけがえのないものだった。この賞をいただいたことにおごらず、これからもお客さんに楽しんでいただける作品を編集できるよう、日々努力し今後の人材の育成にも尽力していきたい」とコメントした。
授賞式終了後、撮影賞を受賞した「モリのいる場所」が上映され、同作品監督の沖田修一さん、俳優の池谷のぶえさんと黒田大輔さんをゲストに招きたトークショーが行われた。
同フェスティバルは、同財団がこれまで28回にわたり開催してきた「調布映画祭」をリニューアルし、「つくる」「楽しむ」「学ぶ」をコンセプトに、「映画のまち調布」が総力を挙げて新たに開催する映画と映像の祭典。同市内の映画・映像関連企業やシネマコンプレックスが企画の段階から参加し、その全面的な協力の下、同授賞式をはじめ、ゲストトーク付きの映画上映会、映画・映像関連の展示やワークショップなどの各種関連イベントを実施する。3月10日まで。