「福井利佐展 -むしたちの おとのせかい-」が現在、調布市文化会館たづくり(調布市小島町2)1階展示室で開催されている。
公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団が主催し、児童書の発行を中心とした出版社として知られる福音館書店と調布市図書館の協力を受け、切り絵アーティストとして活躍する福井利佐さんの作品を紹介する。福井さんが初めて手掛ける絵本「むしたちの おとのせかい」(かがくのとも2019年7月号/福音館書店/文:高梨 琢磨・土原 和子)の原画41点の展示を中心に、作家本人による作品解説や制作の裏話が楽しめるギャラリートークを実施するなど、絵本制作の様子をさまざまな表現で伝える。
福井さんの作品は、モチーフの輪郭を切り抜いた型で表現する一般的な切り絵の手法とは異なり、線画のような繊細な線を無数に重ね合わせ、立体感のある表現で作り上げるのが特徴。その表現は各方面から高く評価され、福井さんの活躍の場は美術界にとどまらず、有名アーティストのCDジャケット、作家や人気芸人の書籍のほかファッション界からもアートワークの依頼を受けるなど、多分野に広がっている。
福井さんは「私の作品のモチーフは『生命力を感じるもの』として人物、動植物は多かったが、昆虫をここまで特化してモチーフにするのは初めてのチャレンジ。(中略)何でもデジタルに頼りきる世の中で、いろんな材料で自らの手でつくり、そのアイディアを具現化するという楽しさや驚きを伝えていきたい」とコメントする。
開催時間は10~18時。入場無料。8月25日まで。ギャラリートークは、8月3日開催。無料。当日先着順。