開幕するラグビーワールドカップに合わせ、調布の深大寺(調布市深大寺元町5)が9月20日、ラグビーオーストラリア代表チームから贈呈されたサイン入りユニホームの特別公開を始めた。
春を呼ぶだるま市が有名な深大寺と、ラグビーオーストラリア代表チームは、「だるま」が結ぶ縁。親日家でもあるマイケル・チェイカヘッドコーチは、プライベートで日本を旅行した際、物事を成就させる意味合いを持つだるまの存在を知り、自ら購入した経験がある。以前から代表メンバー全員で、同じアイテムを共有し団結力を強めてきた同チームは、2019年ワールドカップに向けた「勝利のアイテム」を「必勝だるま」に決めたという。
ラグビーワールドカップの開催地・調布の深大寺が「だるまの願掛けで有名」だと聞いたヘッドコーチは、同寺にチームの必勝だるま祈願を依頼。昨年10月、横浜で開催された「ブレディイスローカップ」のためチームが来日した際、僧侶2人が宿舎に赴き、試合前夜のミーティングで必勝祈願を行った。
同杯は、ライバルのオーストラリア代表「ワラビーズ」とニュージーランド代表「オールブラックス」の誇りを懸けた伝統的一戦。両国内以外では、過去に香港、日本での開催しかなく、「ワールドカップの次に重要なカップ」と位置付ける。永遠のライバルは、前回2015(平成27)年のラグビーワールドカップ決勝戦でも対決している。
祈願に出向いた僧侶は「試合前の緊張感とチームの高揚感が伝わる中、必勝だるまにしっかりと祈願させていただいた。だるまの由来などを説明した後、代表メンバーは、だるまの右目に1人ずつ思いを込めて目入れした。祈願後は、ヘッドコーチからメンバー全員に、翌日のブレディイスローカップやW杯に向けた思いと、メンバー一人一人に対するメッセージが伝えられた」と話す。
チーム全員がサインをした代表ユニホームは、祈願のお礼に贈呈されたもの。今回、ラグビーワールドカップ開幕に合わせ、大会の成功とチームへの応援の気持ちを込め、ユニホームとメンバーの写真を特別公開する運びとなった。「だるまの『七転び八起き』が、ラグビーの立ち上がる精神につながることにもご縁を感じる」とも。
深大寺は「ラグビーワールドカップをきっかけにより多くの文化交流が進み、国内外問わず、多くの方に深大寺へご参拝いただければ」と話す。
公開は10時~16時。深大寺境内。11月2日まで。