富士山の山頂に沈む太陽が重なる「ダイヤモンド富士」が、11月7日頃から、多摩川の土手など市内の富士山が見られる場所で観賞できる。
「ダイヤモンド富士」は、富士山頂から朝日が昇る瞬間と夕日が沈む瞬間に、富士山に太陽が重なり、まるでダイヤモンドのように光り輝く現象。富士山が東か西の方向に見られる場所で、気象条件が良ければ、年に2回、観賞できる。
同市在住で40年以上、富士山の写真を撮り続けている熊澤孝昭さん。以前は、ダイヤモンド富士が見える正確なポイントは見つけにくかったが、現在は、GPSやソフトの発達に伴い、場所と時間がデータで分かるようになった。ダイヤモンド富士の魅力について、「自然の美しい光景が、散歩中に気軽に見られること。最近は、ギャラリーも増えてきている。見られるポイントが決まっているので、撮影に出掛けると昔の写真仲間に出会うことも」と話す。
多摩川沿いでは、11月7日から10日間ほどかけて、多摩川五本松付近から上流の方向へなど、市内の観賞ポイントは移動する。「調布のダイヤモンド富士地図2019年秋」を参考に、ライン上に立つと観賞できる。「その時間にカメラマンが集まっている場所が観賞ポイント」と熊澤さん。
市内から「ダイヤモンド富士」が見える主な場所は、11月11日16時21分ごろ=多摩川原橋付近、11日16時21分ごろ=たづくり展望室・多摩川2丁目土手、12日16時20分ごろ=上石原3丁目土手、13日16時20分ごろ=深大寺御塔坂付近・中央高速深大寺バス停上の橋、16日16時18分ごろ=調布飛行場付近など。熊澤さんの計算によるが、「見る場所の高さによって山頂への日没時間が変わるため、低地と高層ビル、はけの上などでは誤差が生じる」と話す。
熊澤さんは「今年は天候の良くない日が多く、観賞のチャンスが少ない。高い建物が年々増えていて、鑑賞ポイント自体も減ってきている。スマホでも気軽に撮影ができるので、ぜひ現地に立ってみてほしい」と話す。「光が強い夕日なので、撮影はどんよりと薄曇りの日の方が狙い目。カメラは、フィルターを外すとゴーストやフレアを防げる。ファインダーの中心に夕日を置くことがポイント。デジカメ撮影の場合、オートフォーカス設定はピントが合いづらくなる」と撮影のアドバイスも。