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調布・都立野川公園で「かいぼり」 湧水の池、水質改善と生態系回復に期待

野川公園・自然観察園内「ひょうたん池」でのかいぼりの様子

野川公園・自然観察園内「ひょうたん池」でのかいぼりの様子

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 水を抜いて生き物を捕獲し、池底を天日干しする「かいぼり」が12月8日、調布、三鷹、小金井にまたがる都立野川公園の2つの池で行われた。

見つかった「ホトケドジョウ」、環境省レッドリストに載る希少種

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 野川公園の池は、国分寺崖線(がいせん)と野川に挟まれた自然観察園内にしかなく、池の水は、崖線の湧水に由来する。そのため、水量は湧水量に大きく左右され、全体的に浅い池が多い。昨年かいぼりを実施した園内の別の池では、「ホトケドジョウ」「ギンヤンマ」などの在来種を確認した。加えて、池周辺に「ニホンアカガエル」も生息する一方、外来種「アメリカザリガニ」や「ウシガエル」の生息も確認され、在来種への悪影響が懸念されている。

 小春日和の日曜、かいぼりには、都の募集で集まったボランティア12人と、関係者約25人が参加。説明を受けたボランティアらは「ひょうたん池」と「かがみ池」に分かれ、網を手に、池の泥に足を踏み入れると、網で泥や落ち葉をすくい、生き物を熱心に探した。

 両池からは、「ホトケドジョウ」「ネグロセンブリ」「ヒメゲンゴロウ」など、湧水池の在来種が見つかる一方、外来種「アメリカザリガニ」も捕獲された。中でも「ホトケドジョウ」は、環境省レッドリストに記載されている希少種で、体長5センチほどの個体が網の中に見つかると歓声が上がった。

 「野川公園のかいぼり事業は、水質に限らず、池の環境改善を目的にしている。今日の生物捕獲後、池干しを実施。水質の改善を図るとともに、池干し中に深場や浅場を造り、多様な生物の生息空間を創り出したい」と関係者。

 ボランティアで参加した中川敬介さんは「野川公園は子どもといつも遊びに来るので、作業に貢献できればと思い参加した。かいぼりは初めての体験だったが、楽しく没頭してあっという間に終わった。池の水を抜く番組が好きな息子も参加したがっていたので、大きくなったらまた一緒に参加したい」と話す。

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