調布市文化・コミュニティ振興財団が1月15日、「第2回映画のまち調布賞」の受賞者および受賞作品を発表した。
主に映画製作の現場を支える技術者や制作会社といった「映画のつくり手」に贈られる同賞は、映画・映像関連企業の集積する同市の独自性を尊重し、「映画のまち調布」にふさわしい映画賞として、映画文化、芸術、産業の振興に寄与した映画・映像作品およびその製作に貢献した人物や作品を顕彰。技術部門の撮影賞・照明賞・録音賞・美術賞・編集賞と作品賞、功労賞を合わせた計7賞から構成される。
調布市内在住・在勤・在学の市民、シアタス調布の来場者による人気投票を行い、投票最上位作品へ贈られる作品賞を決定するほか、「映画のまち調布 シネマフェスティバル2020」開催期間中に上映可能な投票上位10作品を技術部門の選考対象に選出。各賞の技術を専門的視点で選考可能な技術者及び映画のまち調布シネマフェスティバル2020実行委員長により選考委員会を組織し、昨年10月に行われた選考対象作品のDCP試写および選考会を経て技術部門各賞を決定した。このほか、同市の映画文化、芸術、産業の振興に多大な貢献と顕著な実績を残した人物へ贈られる功労賞も発表された。
技術部門の受賞者は、撮影賞に「新聞記者」の今村圭佑さん、照明賞に「日日是好日」の水野研一さん、録音賞に「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の鈴木肇さん、美術賞に「キングダム」の斎藤岩男さん、編集賞に「翔んで埼玉」の河村信二さん。功労賞に、太秦京都撮影所や日活撮影所で録音技師として活躍した紅谷愃一さんが選ばれたほか、作品賞は、人気投票総数1万2582票の中から最も票を集めた「天気の子」に決定した。授賞式は、2月29日を予定している。
実行委員長の佐伯知紀さんは「最終的に全部門で異なる作品が選ばれた。実写映画に圧倒的な作品がなかったことも意味しているが、日本映画の多様性を示すことができむしろ幸いかもしれない。その広がりを楽しむことができるから。人気投票で、時事性の強い話題作『新聞記者』、滋味深く人生観照的な『日日是好日』がノミネートされたのは、『映画のまち』らしい市民の選択だった。古代中国を舞台にした『キングダム』、大胆な虚構世界を編み上げた『翔んで埼玉』は、規模の大きいエンタメ系の大作もしっかりとした技術に裏打ちされていることを教えてくれる。『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』は実話に基づく難病ものだが明るいタッチのヒューマンコメディーになっていて、なかでも病室の音を繊細に自然に捉えた技が評価された」とコメントする。
同フェスティバルは、「映画のまち調布」が総力をあげて開催する映画のつくり手にスポットを当てた映画の祭典。市内の映画・映像関連企業等が企画の段階から参加し、全面的な協力の下、同賞授賞式をはじめ、ゲストトーク付きの映画上映会、展示やワークショップなどの各種関連イベントを行う。
開催期間は2月14日~3月8日。会場は、調布市文化会館たづくり、調布市グリーンホール、イオンシネマ シアタス調布。詳細は随時、ホームページなどで発表。