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調布の小学生が防災テーマにサモアと交流 東日本大震災から9年

第三小学校体育館でのサモア交流授業の様子

第三小学校体育館でのサモア交流授業の様子

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 3月11日に9年を迎える東日本大震災を前に、2月27日、調布市立第三小学校(調布市上石原2)の児童が、サモア独立国大使館との交流授業を行い、自然災害の多い両国の防災をテーマに話し合った。

模型を作って「やぐら」を紹介、実演する5年生児童

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 「タロファ!(こんにちは)」と元気なサモア語で授業は始まった。体育館に大使館員を迎え、集まった児童は、同時通訳を介して話を聞いた。ラグビーW杯で日本と対戦したサモアは、1962(昭和37)年に太平洋諸国で最初に独立を果たした国。言葉や気候、料理、ポリネシアの伝統を守る文化のほか、小学校は8年など日本との違いについて学んだ。

 続く4時限目は、日本の防災教育に関心を持った大使館の依頼で、5年生が自然災害からサモアを守る防災案を考え、プレゼンテーションを行った。人口約20万人が住む活火山の島国サモアは、日本同様、地震や津波など自然災害に見舞われた過去がある。

 桜島の火山を例にしたハザードマップや日本に普及しつつある避難バッグの紹介、大雨対策として日本の避難レベルや土のうの解説など、英語で発表する児童も見られ、提案は多岐にわたった。女子児童6人のグループは、「サモアについて調べるうちに、洪水が1年に一度起こると知ったから」と、日本の防災バッグをヒントに「洪水バッグ」を提案。飲料用のペットボトルを重しにした防水加工のプールバッグに必要品を入れ、ジーンズを首に巻いて浮きにするなど、アイデアあふれる提案だった。

 給食はサモア料理で、メニューは「アライサ(ごはん)」、鶏肉のカレー「カレモア」、ココナツミルクドレッシングの「オカ風サラダ」、「パンケケ風ドーナツ」。カカオが特産でココア飲料「ココサモア」を飲む習慣があることにちなみ、牛乳ではなくミルクココアを飲んだ。栄養士の竹田茜先生は「本場の味に近い形で子どもたちに食べてほしかったので、調理員さんと協力して作った試作を大使館に持って行き、味見をしてもらい完成した。食べ慣れない料理だが、こういう食文化もあると知ってもらえれば」と話す。

 交流を終えたジャスティン・リマ参事官は「興味深いプレゼンテーションばかりだった。サモアで起こり得るほぼ全ての自然災害をカバーしていて、皆さんから多くの知らないことを学んだ。避難バッグや避難所は、サモアではまだ準備し切れていない。ハザードマップや、やぐらの提案も良かった。何より、サモアのことを一生懸命に考えてくれたことがうれしい」と感想を述べた。

 津波対策にやぐらを提案した女子児童は「コストを考えて木材で作ることができる『やぐら』を紹介した。日本に古くからあるやぐらの良さを伝えたかったが、最後の感想に取り上げてくれたのでうれしかった」と話した。

 運動会で覚えたサモアのウォークライ「シバタウ」がきっかけで、南太平洋諸国のリレー学習を始めた同校児童。震災を前に、他国の防災について考える学習を通しサモアをより身近に感じ、小さな国際貢献を果たした。

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