調布の神代植物公園や深大寺などのエリアを舞台にした「深大寺短編恋愛小説公募事業」が15周年を迎え、その記念として、直木賞作家4人と若手作家1人が書き下ろした短編恋愛小説「深大寺恋物語 第15集」が刊行された。
「深大寺恋物語」過去の入賞作品集。15回の公募で計4900作品を超える応募があった
2003(平成15)年に行われた、深大寺や神代植物公園などがある深大寺地域を盛り上げるイベント「じんだいフェスタ」に端を発する同公募事業。同イベントでは大きな舞台を建て、桜の時期に10日間ステージプログラムを実施したが、より継続的かつ横展開ができるような活性化の方法はないかと考え、深大寺が男女の恋仲が創設の由来であったことや恋愛小説がブームであったことから、調布青年会議所の有志や深大寺そば組合などの地域団体により企画された。
今回の公募が15回目の周年にあたることから、普段は最終審査員として審査する側の作家に書き手になってもらい、「深大寺恋物語」を公募と同様な条件で執筆を依頼。第1回から審査員を務めている直木賞作家の村松友視さん、井上荒野さんに加え、井上さんの声掛けで、同じく直木賞作家の江國香織さん、角田光代さん、2019年に直木賞候補となった今村翔吾さんの5人が書き下ろした。同冊子は第15回の入賞作品6点を加え、計11作品を掲載。A5版、84ページ。税込み1,000円。
実行委員長を務める吉井秀治さんは「小さな地域の文学賞に、これだけ著名な小説家の先生が執筆いただけたことを心から感謝している。一人でも多くの方にこの小説集を読んでいただき、深大寺地域に足を運んでもらえればうれしい。今までの入賞作品も含めて、将来的には「映画のまち 調布」として、映像・映画化されることが目標」と話す。
同冊子は調布駅北口の真光書店と深大寺のお守り売り場、公式ホームページから購入できる。