国立天文台(三鷹市大沢2)は現在、新型コロナウイルス感染症対策のために自宅で過ごす時間が多い子どもたちが天文学習できるよう授業番組をネット配信している。
大きな赤いボールを太陽に見立てて説明する、国立天文台の山岡均准教授 ©国立天文台
同天文台はこれまでも最新天文学の研究成果を発表するとともに、街中や学校に出向いて天文教室・講座を開いたり、天文理解を深めるための各種コンテンツを制作したりしてきた。多くの公立学校が臨時休校になった3月には、自宅学習の助けとなる「天文授業」をライブ配信した。授業はいずれも1時間ほどの内容で、ユーチューブの「国立天文台チャンネル」にアーカイブされており常時視聴できる。
授業内容は、小学生のための最新天文講座「太陽系の天体の大きさと宇宙の広さ」、中学生のための最新天文講座「中学校発宇宙の旅 つながっている宇宙・社会・いのち」、中高生向け特別授業「ベテルギウスと超新星爆発」、高校生のための最新天文講座「天文学者の仕事 いろいろな光で見る宇宙」、みんなのための課外授業「南の島のでかい望遠鏡で宇宙を見よう」。
「太陽系の天体の大きさと宇宙の広さ」を視聴した狛江市在住の小学2年生の女児は「地球がすごく小さくて、太陽がすごく大きいことに驚いた。太陽が回っているのではなくて地球が回っていること、土星がガスでできていることなど、宇宙には不思議がいっぱいあるので、もっとたくさんのことを知りたいと思った。早く学校で宇宙の勉強をしたい」と目を輝かせた。
同天台担当者は「自宅にいながら楽しく学習する機会になればと思い、今回の特別授業を急きょ企画した。それぞれの対象児童・生徒に限らず幅広い年代の方に見ていただき、宇宙や天文に興味を持って学んでいただければ」と話す。
全国の大学・研究機関の広報担当者有志による「科学技術広報研究会(JACST)」では、所属する研究機関のデジタルコンテンツの中から子どもたちに見てほしいと思う作品を集めたサイトを開設している。