調布の京王線飛田給駅(調布市飛田給1)から旧甲州街道までのスタジアム通りで、珍しい緑色の花を咲かせる桜並木が満開を迎えた。
並木は、2001(平成13)年の東京スタジアム(現・味の素スタジアム)開業に伴う周辺地域の整備事業として植えられた。当時「飛田給駅周辺地区まちづくり協議会」で事務局の石川浩さんによると「自分たちの暮らす地域の町づくりを考えるなかで、並木についても話し合った。みんなの意見をまとめ、八重桜を植えてほしいと市に要望した」という。市では珍しい緑色の花が咲く桜を選び、東京都が整備作業の中で植樹した。
専門家の調査によると、並木の桜には「ギョイコウ」と「ウコン」、「その交配種」の3品種あることが分かった。ギョイコウは、貴族の衣装である御衣黄(ぎょいこう)に似た黄緑色の花を咲かせる。ウコンはそれよりやや薄い色で、鬱金(うこん)の根のような黄色に近い花を咲かせる。どちらも、満開を過ぎると中心部からピンク色がかってくる。
3品種ともソメイヨシノが散る頃に咲き出し、今年はいつもより早い4月初めに開花した。近くに住む大須賀さんは「全国でも珍しい緑色の花が咲く桜並木だから、これからも大切にしていきたい」と話す。