夏至の6月21日、日本全国で部分日食が起こり、調布では17時10分ころ食の最大を迎える。国立天文台(三鷹市大沢2)はホームページで詳しい情報や安全な観察方法を紹介している。
国立天文台の「日本全国で部分日食(2020年6月)」ホームページ。 ライブ配信を行う「特設ページ」もある。©国立天文台
今回の日食は沖縄など南西日本ほど大きく欠け、インド北部や台湾などでは金環日食が起こる。調布では16時11分過ぎから欠け始め、食の最大のとき食分(月によって覆われた太陽の直径の度合い)が0.47になり、18時3分過ぎに食が終わる。
国立天文台では、同天文台など6者の連携によって運営されている石垣島天文台(沖縄県石垣市新川)からライブ中継を行う(天候などの理由によりできない場合もある)。同地では、15時55分過ぎに食が始まり、17時16分ころ食分0.93と9割ほど欠けた細い太陽になり、18時25分過ぎに食が終わる。
国立天文台では、日食を観測するときに太陽を直接見ず、日食専用のグラスを使うよう呼び掛けている。特に(専門家が適切に減光したもの以外)双眼鏡や望遠鏡で絶対に太陽を見てはいけない(強力な光と熱で網膜を損傷する危険がある)と注意している。
担当者は「今回の部分日食では、日食時の太陽高度が低いため日食専用のグラスで観察したとき太陽の像が暗くて見えづらいかもしれない。その場合も、太陽を直接見ないように。日食観察で用いられるピンホールを利用する方法は、低い位置から斜めにさす太陽光では欠けている形が分かりにくくはっきり見えない場合がある」という。「新型コロナウイルス感染症対策に配慮して他人との接触機会が増えないよう心がけ、自宅や近所で西側の開けた安全な場所で観察を。難しいときはライブ中継を見て楽しんでいただければ」とも。
次に日本の一部で日食が起こるのは2023年4月20日だが、東京で起こるのは2030年6月1日。このとき、北海道の大部分で金環食になる。