さまざまな仕掛けにより普段と違う美術作品の見方を楽しむ企画展「ひらいてみよう 美術の扉」が現在、府中市美術館(府中市浅間町1、TEL 03-5777-8600)で開催されている。
同館が所蔵する明治時代の木版画や現代の大画面作品などさまざまな絵画を展示し、通常の展覧会ではできない鑑賞体験を通じて作品のいろいろな見方を楽しんでもらう。畳に座って堂本印象の屏風「浜の幸」を鑑賞する見せ方をはじめ、鳥の声を聞いたり花の香りを感じたりしながら作品を鑑賞することで、作品の世界に入り込むことができるコーナーを設置。来場者が作品のタイトルを想像したり、登場人物のせりふを想像したりできるコーナーも用意する。
担当学芸員は「いつもと違う見方をすると、普段はちょっとすましている美術館の絵の思いがけない表情に気付けるはず。作品の前にあるいろいろな扉を一枚ずつ開いて、美術の世界に飛び込んで」と新たな鑑賞体験を呼び掛けている。
同展観覧料で常設展「はんが遊園地」「牛島憲之と昭和の絵画」、1階の公開制作「児玉幸子 脈動 溶けるリズム」が鑑賞できる。なお、9月19日から開催予定だった企画展「開館20周年記念 動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり」は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により来年に延期。代わりに「日本美術を貫く 炎の筆『線』」を開催する。
開館時間は10時~17時(入場は16時30分まで)。会期中の休館は月曜。入館料は、一般=400円、高校生・大学生=200円、小学生・中学生=70円(府中市内の小中学生は「府中っ子学びのパスポート」提示で無料)、未就学児および障害者手帳などを持った人は無料。9月6日まで。