地域密着型の即興音楽とアートのフェスティバル「JAZZ ART せんがわ2020」が9月16日、調布市せんがわ劇場(調布市仙川町1)で始まる。
昨年まで野外に設置して数人で音楽を体感した「CLUB JAZZ 屏風」。「JAZZ ART せんがわ2018」での、落合康介さん(b)と坂本弘道さん(音楽のこぎり) ©池田まさあき
同フェスティバルは2008(平成20)年に同劇場が開館した際、当時の芸術監督ペーター・ゲスナーさんが「プロと市民が交流することで芸術家の支援と育成を目指したい」と呼び掛けて始まった。昨年からアーティストを中心とした「JAZZ ART 実行委員会」が運営を引き継ぎ、「野生に還る音 親密な関係 生きる芸術」をコンセプトに自主開催している。
13年目の今年は当初、ケベック州の現代音楽祭「FIMAV」との交流など国際的なプログラムを予定していたがコロナ禍によりキャンセル。同フェスティバルの特徴である、野外で即興演奏を行いアーティストと観客と街が混ざり合うイベントも開催が難しくなった。
実行委員会は「我々はこの状況に屈せず、国内から豪華なゲストを迎えた劇場ライブを制限入場とウェブ配信で行う。フェスティバルのシンボル的存在である移動式極小ライブ空間『CLUB JAZZ 屏風』では、感染症拡大防止対策を逆手に取り『たった一人のためのライブ』を開催する」と発表した。
初日の「JAZZ ART TRIO」(巻上公一さん・坂本弘道さん・藤原清登さん)公演は、2012(平成24)年から6年間出演し今年8月25日に亡くなったトランペット奏者の沖至(おき いたる)さんを追悼するステージ。17日は「ミソヅラ団」(中村達也さん・滝本尚史さん・栗原健さん)にゲストのスガダイローさんを迎えたユニット「ミソヅラ団と赤斬月」。18日は桐朋学園短大でも長く朗読を教えた現代歌人の福島泰樹さんによる「短歌絶叫コンサート」。19日の1本目は巻上公一さん率いる「ヒカシュー」に梅津和時さんがゲスト出演。2本目は八木美知依さんと本田珠也さんによるデュオ「道場」。20日は石井彰さん率いる「Quadrangle」が初出演する。いずれの公演も定員121席のところ上限50席、客席の消毒、ライブ中の換気休憩など感染症対策を徹底する。有料でウェブ配信も行う。
19日と20日の「CLUB JAZZ 屏風」は劇場ロビーに常置して、客1人(または小学生以下の子どもと保護者、介助が必要な人と介助者)が入りミュージシャンやアーティスト数名が外から演奏するというぜいたくなスタイルで開催する(各日5回・無料・予約制)。
各公演の入場チケットの購入と「CLUB JAZZ 屏風」の予約は専用サイト(https://t.co/jtF53MXMDM?amp=1)から、配信チケットの購入は別サイト(https://twitcasting.tv/jazzartsengawa/shop)からできる。