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府中在住アーティストがバルーンアート贈るプロジェクト 全国の小児科病棟へ

「小児科病棟にlucaemma(ルカエマ)バルーンを」プロジェクトで贈られたバルーンアート

「小児科病棟にlucaemma(ルカエマ)バルーンを」プロジェクトで贈られたバルーンアート

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 全米大会で優勝経験を持つ府中市在住のバルーンアーティスト神宮エミさんが、面会が制限される入院生活を送る子どもたちに笑顔と元気を届ける「小児科病棟にlucaemma(ルカエマ)バルーンを」プロジェクトを実施し、全国各地の63の小児科病棟にバルーンアートが届けられた。

「小児科病棟にlucaemma(ルカエマ)バルーンを」プロジェクト主宰の神宮エミさん(バルーン右) 湘南藤沢徳洲会病院での贈呈式で

 大学在学中にファッションイベントを主催し演劇に携わるなど、エンターテインメントの世界に興味はあったものの、ものづくりの世界に身を置くことになるとは思っていなかったという神宮さん。イベントで子どもたちにバルーンを配るアルバイトをした際、一瞬で子どもたちを笑顔にするバルーンの力に魅力を感じ、バルーンアートの制作を開始。制作を続けるうちにバルーンに大きな可能性を感じ、子どもたちの遊びだけに終わらせるのではなく、新しい価値を創造したい、追求したいとバルーンアートを仕事として本格化させた。

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 2018(平成30)年にはバルーン文化が根付くアメリカの大会のファッション部門で優勝し、日本国内の店舗やイベントなどの空間装飾、世界各地でのバルーンドレスコレクションの発表、府中市の観光大使を務めるなど、国内外で活躍。今年4月中旬にはアメリカのバルーン会社の呼び掛けで、バルーンアートでコロナ禍でも身近な人に明るくなってもらうプロジェクト「ワンミリオンバブル」に賛同し、自宅マンションのエントランスにバルーンアートをディスプレーした。

 その直後、神宮さん自身が脳梗塞を発症し、コロナ禍での面会禁止という不安で心細い入院生活を経験。親身になってサポートしてくれた医療従事者へのお礼を込めて退院時にプレゼントしたバルーンアートが大変喜ばれたことをきっかけに、それまでの作品に度々登場していた男の子と女の子に名前を付けて「lucaemma」ブランドを立ち上げ、子どもたちに笑顔を届ける活動を開始。9月からクラウドファンディングで寄付を募り、バルーンアートを届ける小児科を募集するプロジェクトを始めた。

 バルーンアートの制作には、神宮さんがプロデュースを務めるバルーンパフォーマー集団「pOpOballoon(ポポバルーン)」のメンバーも加わり、バルーンを2枚重ねて中にボンドを入れるなど長持ちするよう手間をかけ、一体8時間程度かけて制作。10月末まで募った寄付は目標を上回る資金が集まり、全国各地の63の小児科病棟にバルーンアートが届けられた。

 神宮さんは「子どもたちや付き添いのご家族、医療従事者の方々が少しでも笑顔になってくれたらうれしい。コロナ禍が終息したとしても入院生活を送る子どもたちはたくさんいる。クラウドファンディングだけに頼らない方法を模索して、継続したプロジェクトにできたら」と話す。