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調布市の中学生がロボットプログラミング世界大会へ 3年連続の日本代表で

VEXロボティクス世界大会「VEXIQ Challenge 2021」の日本代表Red Bisonsのメンバー、後列左から松澤奨真さん、田邉冠太さん、二宮朋諒さん、前列左から松澤史詠さん、小﨑裕之さん 一年かけて制作したロボットと

VEXロボティクス世界大会「VEXIQ Challenge 2021」の日本代表Red Bisonsのメンバー、後列左から松澤奨真さん、田邉冠太さん、二宮朋諒さん、前列左から松澤史詠さん、小﨑裕之さん 一年かけて制作したロボットと

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 調布市在住の中学生2チームが、5月23日から始まるロボットプログラミング「VEX(ヴェックス)ロボティクス」の世界大会「VEXIQ Challenge(チェレンジ)」に日本代表として出場する。

「VEXIQ Challenge 2019」 1万人収容できるアリーナで開催されたオープニングの様子

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 VEXロボティクスは、2002(平成14)年にアメリカで開発されたSTEM教育教材で、ロボット製作を通じて好奇心を刺激し、子どもたち自身が試行錯誤するプロセスを通じて自ら問題を解決する力の習得を目的にしている。競技大会を開催することで、チームワーク、グローバリズム、プロジェクト遂行力などの次世代を担う子どもたちに不可欠なスキルの習得も目指す。現在では世界60カ国以上に広まり、海外ではクラブ活動として取り組む子どもたちも多い。

 調布では、市内在住で映像制作に携わる松澤聡比古さんが2017(平成29)年、VEXの日本導入を計画している知人に頼まれ、世界大会の映像撮影のために渡米。大規模な大会に主体的に取り組む子どもたちを目のあたりにして日本のSTEM教育の遅れを痛感し、日本でのVEX普及に尽力しようと決意した。小学生だった長男と次男が興味を示したことから、2人の友人を誘ってチームを作り、2019年から市内の深大寺福祉センターに集まって、VEX教材の800以上のパーツとガイドをもとに課題に沿ったロボット製作とプログラミングに取り組み始めた。

 日本でも、インターナショナルスクールなどでは早くからVEXを使う活動を行い、小・中学生を対象にする大会「VEXIQ Challenge」の日本代表を決める2019年大会には、約20チームが参加。「Red Bisons(レッドバイソンズ)」と名付けた松澤さんの子どもたち2チームは初参加ながら上位3チームに入って世界大会に出場し、予選通過も果たした。昨年も日本代表まで勝ち進んだがコロナ禍により世界大会が中止に。今年はオンライン開催となる世界大会に、3年連続の日本代表として挑む。

 今年の課題は「RISE ABOVE(ライズ アボーブ)」。何色かある特定のパーツを指令通りに積み上げて点数を競う。1年間の取り組みを記録したノートや本戦前のインタビューも評価対象になり、世界一が決まる。

 Red Bisonsのメンバーは「安定して物をつかむアームにするなど機能とデザインにこだわった。操作ミスを防ぐプログラミングの工夫もたくさん組み込んだ。トップを狙えるだけの手応えがある」と意気込み、松澤さんは「この3年間で子どもたちの一番の成長は、世界を見るようになったこと。昨年には『青少年STEM教育振興会』も立ち上げた。STEM教育のさらなる普及に尽力したい。調布から全国へ展開し、いずれは日本で世界大会を開催できたら」と意気込む。

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