「91歳のユーチューバー」として活動している調布市在住の和装研究家、飯田美代子さんが9月、伯母で往年の女優、飯田蝶子さん(1897-1972年)との思い出を語る動画をユーチューブ上で配信した。
1947(昭和22)年熱海にて、飯田蝶子さん(中央奥)と飯田美代子さん(左端)
1930(昭和5)年生まれの飯田さんは現在91歳。「和婚」という言葉の提唱者で、ブライダル雑誌の監修や著作を出版する傍ら、昨年、自身のチャンネル「90歳の知恵袋 モテる女塾」でユーチューバー・デビュー。女優としても自主製作映画に出演するなど精力的に活動しており、「仕事がないと具合が悪くなる」と笑う。
飯田さんは、小津安二郎監督の「長屋紳士録」(1947年)に主演した飯田蝶子さんのめい。蝶子さんは1923(大正12)年、松竹蒲田撮影所に入社後、下積みを経て小津監督をはじめ黒澤明、稲垣浩、今井正らの監督作品に出演した。美代子さんは最近、調布市多摩川の角川大映スタジオ近くにある「映画俳優の碑」に「飯田蝶子」の名前が刻まれているのを見つけて感激したという。
美代子さんが大学生のときに新人発掘のためのオーディションに応募、蝶子さんが審査員の一人だったが落選した。美代子さんは「『いいわよ、女性監督になるから』と捨てぜりふを言うと、亡くなるまで『美代ちゃん、出番まだ?』と言われ続けた。伯母ちゃんは優しい人だった」と懐かしむ。
配信された動画では、美代子さんの目から見た蝶子さんの知られざる素顔が語られている。