食べる

調布・仙川の和菓子店でクリスマスツリー型の上生菓子 伝統技法を応用

和菓子「餡の輪(あんのわ)」の上生菓子「クリスマスツリー」

和菓子「餡の輪(あんのわ)」の上生菓子「クリスマスツリー」

  • 71

  •  

 調布・仙川駅近くの和菓子店「餡の輪(あんのわ)」(調布市仙川町1、TEL 03-6875-2705)で現在、クリスマスツリーをかたどった上生菓子が販売されている。

和菓子「餡の輪(あんのわ)」の上生菓子「クリスマスツリー」を作る様子 

[広告]

 和菓子の文化を伝えたいと和菓子職人の道を選び修業を重ねた松本長士さんと妻の奈ナさんが2018(平成30)年2月に創業した同店。一貫して和菓子の肝となる餡(あん)に手間と時間をかけ、日々、商品を製造する。合わせる餅や生地などとの相性によって小豆の種類や、皮に含まれる渋成分を取り除く「渋きり」の回数を変え、同じ小豆でも気温や湿度などによって火加減を調整し、炊く時間も秒単位で変え、一晩寝かせて餡が完成。「完璧なできあがりには、なかなかならない」と松本さんは言う。

 何度も渋切りをしてすっきりとさせた粒あんの「黒豆大福」や小豆の味をしっかりと残した「どらやき」などの通年商品のほか、季節感を大切にする和菓子の伝統を守り、毎月2種類程度、季節の花などをモチーフにした上生菓子を用意。古典的なモチーフは「堅苦しく感じることも多く、若い人にもより受け入れてもらいやすい商品にしたい」と、形、色合いのほか、甘さを控えるなど、夫婦で試行錯誤しながら商品を作り上げている。

 創業当初から12月の上生菓子として販売してきたクリスマスツリーをモチーフにした上生菓子は、和菓子の中でも高度な技術を要するとされる「はさみ菊」の技法を応用し、こし餡に2色の練り切り餡を重ね、一枝ずつ切り込みを入れて一つ一つの枝先に水滴、トップに星をモチーフにしたようかんをのせ完成。昨年とは形を若干変え、今年は丸みのある「上生菓子らしい」クリスマスツリーができあがった。

 季節限定商品は「クリスマスツリー」のほか、リンゴ餡と練り切り餡を使った「林檎(りんご)」(以上390円)、大和芋を用いた生地のまんじゅう「柚子(ゆず)」(310円)、「冬の絹あずきラム酒」(300円)などを用意する。

 松本さんは「これからも餡の炊き方には労力を惜しまず、伝統を守りながら、季節の移り変わりを感じていただける自分たちだけの味を提供していきたい」と話す。

 上生菓子「クリスマスツリー」の販売は12月25日まで。営業時間は10時~18時。火曜・水曜定休(変更の可能性あり)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース