食べる

調布・国領に手作り豆腐の店 大豆農家の顔が見える「新しい豆腐屋」目指す

とうふや「おもむろ」の豆腐に使う在来種の大豆 時には限定の大豆を使った商品なども

とうふや「おもむろ」の豆腐に使う在来種の大豆 時には限定の大豆を使った商品なども

  • 55

  •  

 日本各地の希少な在来種の大豆を使って手作りする豆腐店「おもむろ」(調布市国領町4、TEL 042-445-2423)が12月10日、調布市国領駅近くにオープンした。

とうふや「おもむろ」の豆腐の数々 全て手作りの商品が並ぶ

[広告]

 20年近く流通業のサラリーマンだった同市在住の伊藤正樹さんが開いた同店。形あるものを作って客に届けることをしたいと模索していたところ、シンプルな材料で作った「驚くほどおいしい」豆腐に出合い、昔ながらの街の豆腐店が減少していく中で挑戦してみたいと、豆腐作りを極めることを決心。きっかけとなった豆腐店で修業を積み、大豆問屋にも勤務して大豆農家との交流を深め、開店に至った。

 「シンプルな製法で手間暇惜しまず」をモットーに、豆腐に使うのは大豆と水とにがりのみ。大豆は主に希少な在来種を使い、これまで付き合いのあった全国各地の契約農家から仕入れる。在来種は個性やクセが強く、香り、甘み、扱い方が異なる大豆それぞれの特徴を生かして商品によって品種を変え、仕込みの仕方も大豆に合わせて工夫。水は軟水を使い、揚げ油も薬剤を使わずに搾った希少な国産菜種油を使う。

 店名の「おもむろ」には、毎日何かにせかされ追われるような生き方ではなく、「一度立ち止まり、ゆっくりだけど確かに前進する」という意味を込めた。店舗は豆腐を作っている工房の様子が見えるようにし、白木と塗り壁を多用して落ち着きのある雰囲気に仕上げた。伝統を守りつつ、単に手作りの豆腐を販売するだけでなく、大豆を栽培する農家から伊藤さん自身が直接見聞きした、それぞれの思いやストーリ-を発信して、大豆を作る人と豆腐を作る人が見える「新しい豆腐屋」を目指すという。

 商品は「絹とうふ」「寄せとうふ」(以上250円)、「厚揚げ」(270円)、「汲(く)みゆば」(500円)、「豆乳」(150円)など全部で7種類を用意する。

 伊藤さんは「流通業に携わり消費ばかりが注目される街を見てきた経験から、製造に重きを置き、豆腐を作る様子や、そこで働く大人の姿が見える店を作りたいと思ってきた。地域の子どもからお年寄りまでに愛され、都市部では縁遠い農業や生産者さんを身近に感じてもらえる『街の豆腐屋』になれたら」と話す。

 営業時間は12時~19時。月曜定休。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース