調布駅近くのイタリア料理店「ワイン&魚イタリアンBarry's（バーリーズ）調布」（調布市布田1、TEL 042-440-1755）が2月12日で10周年を迎える。

「ワイン&魚イタリアンBarry's調布」が仕入れる築地市場仲卸直送の鮮魚の数々　この日到着したのは太刀魚・ノドグロ・甘鯛など

　実父が営む仲卸店から仕入れる鮮魚を使ったイタリア料理とワインを看板メニューに、金子巧さんが2012（平成24）年に創業した同店。ラグビー選手としてオーストラリアで4年間を過ごし、シドニーの日本料理店で働いたことをきっかけに料理の面白さを覚え、選手を引退後、飲食店を開くことを決意した金子さん。実家で食べていた魚料理のおいしさを再認識し、鮮魚のおいしさを生かすことができ、近隣にあまりなかったイタリア料理を選んで同店を開いた。

　創業以来、その日の仕入れによって内容が変わる「鮮魚のカルパッチョ」（1,210円）、「アクアパッツァ」（1,980円）、魚介と自家製トマトソースを使った「ペスカトーレ」（1,760円）などが人気で、周年記念で開いた「すしパーティー」も好評を得た。そのほか、創業前に肉類を中心に提供する飲食店で修業して食肉に関する知識も習得し、「黒毛和牛のグリル」（200グラム＝3,300円）など肉のメニューも提供。地元の新鮮野菜を使ったメニューなども用意する。

　鮮魚と共に看板に据えるワインについては、知人のソムリエの紹介などで30種類程度を仕入れてスタートし、フルボトルを均一価格（3,090円）で提供。そのほか人気のワイナリーや銘柄の高級ワインについても直接仕入れるルートを少しずつ開拓して「ワイン通の客には驚かれる低価格」（金子さん）で提供し、現在では均一価格のものから数万円のものまで、全部で100本以上を取りそろえる。

　金子さんは10年間を振り返り、「オープン時はラグビー関係の客ばかりだったが、無我夢中で一年間過ごした1周年パーティーに地域の方々が多く来店していただき、地域に受け入れてもらえてとてもうれしかったことが一番印象に残っている」と話す。その後も、調布駅の地下化、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックと、調布駅周辺が激変し、それらに伴う同市の企画に参加し、店独自のイベントを行うなど、「調布駅周辺の激動と地域との協働とともに日々が過ぎ、コロナ禍になってようやく店と向き合う時間ができた」とも。

　昨年11月には新たに江戸前すしとワインの店「UOTAKU（うおたく）」（布田1、TEL 03-6820-2425）を同店から300メートルの場所にオープン。10周年記念の企画についても、コロナ禍の状況を見ながら時期を遅らせた開催を検討している。

　今後は「肉・野菜の料理やすし店との共存なども考え、メニューのマイナーチェンジを検討しつつ、鮮魚とワインへのこだわりは守り続けていく。さらに新たな業態への挑戦などもできたら」と意気込む。

　営業時間は11時30分～14時、18時～23時（都からの要請に従い変更の可能性あり）。