花と猫をモチーフに季節を感じる生菓子や焼き菓子を提供する「菓子屋 花と猫」(調布市緑ヶ丘1)が6月21日、調布市仙川の弁天橋近くにオープンした。
食への関心の原点は、母が手作りする季節の食材を使った食事や菓子だという店主の海法奈津美さん。幼稚園の卒園アルバムにも書いていた「シェフになりたい」という夢を実現するため製菓専門学校で学び、パティスリー、レストラン、カフェなどで経験を積んできた。独立に当たり、常に身近にあった幸せの象徴だという「花と猫」を表現できるのは菓子だと考え、2021年6月、焼き菓子の通信販売を開始。2カ月に1回程度テーマを決め、花と猫をモチーフにした焼き菓子に、オーダーメードの絵画をセットにした受注販売は毎回完売している。
菓子作りに、より集中する環境を整えるとともに、焼き菓子以外のデザートを提供するため同店をオープン。「水彩画のような美しい菓子を提供するデザートのビストロ」をコンセプトに、花の名前や形、猫からひらめきデザインした生菓子を喫茶コーナーで提供。フルーツをふんだんに使い、5分で食感が変わってしまうメレンゲなど、テイクアウトには向かないメニューを取りそろえる。フルーツはこれまでも付き合いのあった青果店から旬で食べ頃のものを仕入れ、季節を感じるメニュー作りを大切にしている。
店舗面積は約5坪で、1人席4席とカウンター2席を用意。「雨宿りに立ち寄る店」をテーマに、アジサイのドライフラワーを飾り、猫をモチーフにした雑貨やアンティーク家具などを配置して、猫好きやインテリア好きの客なども一人でゆったりと過ごしてもらう落ち着いた店に仕上げた。
メニューは、看板メニューのフランス風雪見大福「ねこ餅」(720円)、季節のフルーツを使ったショートケーキ「ばらの花」、レアチーズケーキのグラス仕立て「霞(かすみ)」(以上660円)などのほか、焼き菓子も用意。ドリンクは、その世界観に魅了され名古屋から仕入れるコーヒー「花と猫ブレンド」(550円)や、「柚子(ゆず)緑茶」(660円)などの日本茶、「レモングラス&ミント」(770円)などのハーブティーも取りそろえる。
海法さんは「ようやく自分だけのアトリエができあがった。仕事や授業の後、疲れた時に雨宿りのように一休みに来店いただき、おいしいコーヒーと菓子を通して花と猫を楽しんでもらえたら」と話す。
営業時間は12時~18時。月曜定休。