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調布・仙川に「注文を間違えるカフェ」 認知症スタッフがサービスを担当

「オレンジデイSENGAWA」を運営するスタッフの皆さん

「オレンジデイSENGAWA」を運営するスタッフの皆さん

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 認知症スタッフとボランティアスタッフで月1回運営するカフェ「オレンジデイSENGAWA(センガワ)」が4月26日、調布市仙川駅近くの「Cafe Anmar(カフェアンマー)」(調布市仙川町1)にオープンした。

「オレンジデイSENGAWA」で提供するケーキセット

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 認知症の人が社会で活躍する機会と認知症に対する理解を広めることを目指す「オレンジデイSENGAWA」。家族が認知症を発症したことをきっかけに、認知症の人がやりがいを感じる居場所を作りたい、認知症でも活躍できる地域でありたいと考えるメンバーが集合。2017(平成29)年ごろから全国的に広がりつつあったイベント「注文をまちがえる料理店」からヒントを得て、既存のカフェを間借りし、料理の配膳より負担の少ないカフェメニューを提供する同店を開いた。

 オープンに当たり福祉公社、包括支援センター、社会福祉協議会などから協力を得て、約1年をかけて準備。運営スタッフは調布市が開催する認知症サポーター養成講座を受講して、認知症の人への接し方などを学んだ。配膳しやすいよう、軽い食器やトレーなどを用意し、注文票は見やすく書きやすい工夫を取り入れ、運営スタッフがサービスの補助を行う。

 認知症スタッフの募集や選出は日頃から認知症当事者の状況を把握している相談員に依頼し、現在2人が交代制で注文を受け配膳するサービスを担当。認知症スタッフの一人は「何でも経験してみようと応募した。カフェ店員という新しい仕事は楽しい」と話す。

 来店客には「注文を間違えても、温かい目で見守って下さい」と理解と協力を呼びかけ、メニューはシフォンケーキやチョコケーキなど3種類のケーキ(500円)とコーヒーなど6種類のドリンク(400円)を用意。ケーキは運営スタッフでカフェアンマー店主の漢那亜希子さんが手作りする。

 認知症スタッフの家族は「外出する機会が減ったので、人との関わりができるこの活動はとても助かる。和気あいあいとした雰囲気で見守ってもらい感謝している」と言い、漢那さんは「認知症のことを多くの人に知ってもらい、一人でも多くの認知症の方に『働いた』という実感を持ってもらう場にできたら」と話す。

 営業時間は13時~16時。月1回の開催予定。日程はホームページなどで知らせる。

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