フランス菓子やパンなどを取りそろえる「Patisserie YUTA ogura vision Y（パティスリー ユウタ　オグラ　ビジョン　ワイ）」（調布市西つつじヶ丘3、TEL 042-444-0561）が6月30日、調布市つつじヶ丘駅近くにオープンした。

「Patisserie YUTA ogura vision Y」オーナーでパティシエの小倉優太さん

　国内とフランスでの修業経験を持つパティシエ小倉優太さんが、洋菓子をはじめとする「フランスの本場の味を用意する」という同店。15歳の時に料理の道に進むと決めて勉強を始め、当初は日本料理人を目指し調理師免許を取得したが、パリを拠点に活躍する日本人パティシエが作るケーキを食べて感動し、パティシエに興味を持ったと言う小倉さん。初めて渡仏した時にその空気感に魅了されて何度もフランスを訪れ、「フランスで認められるパティシエになることを固く決意した」と振り返る。

　パティシエを目指すきっかけとなった店の日本支店で修業を始め、パリのレストランや南仏プロバンスのパティスリーなどで修業し、コンクールでの受賞も経験。帰国後は、カフェのシェフパティシエ、コラボ商品開発や技術協力、製菓学校での講師など「食のプロ」として幅広く活躍し、パティシエの協会などにも属して業界の発展にも注力。料理の道に入って10年を迎え、新たな拠点としてテイクアウト専門の同店を開いた。

　フランスのパティスリーは洋菓子だけでなく食事メニューも用意する店も多く、「お気に入りの店でその日の食事全てを買いそろえる文化がある」と言う。同店でも20種類以上のケーキ・焼き菓子のほか、パン、ジャム、キッシュなどを取りそろえ、フランスの食文化を発信。味はフランスで感動した味・香り・色彩を再現し、食材を世界中から輸入する。フランス修業中に「このフルーツはどんな農家のものか」と質問を受け、パティスリーに欠かせない食材を提供してくれる農家の存在を改めて認識。国内の農家や酪農家を訪れ、実際に見て知識を深め取り扱う食材を決め、農作物被害の支援なども行っている。

　店は「未来のフランスの最先端パティスリー」をイメージし、ブラックとオレンジを基調とした美術館風の内装に仕上げ、「未来のフランスに足を踏み入れる気分も味わってほしい」と小倉さん。店名の最後に付けた「vision Y」は「優太の思い」という意味で、今後、他の業態などへの展開も視野に入れる。

　小倉さんは「お客さまとのコミュニケーションも大切にしたい。目指すのは、3つ星レストランの料理を、あぐらをかいて食べる文化。かしこまって来店するのではなく、日常的に気軽に立ち寄っていただき、多くの方々と食を通じて笑顔の時間を過ごせたら」と話す。

　営業時間は10時30分～19時30分。水曜定休。売り切れ次第終了。