府中の大國魂（おおくにたま）神社（府中市宮町3、TEL 042-362-2130）で7月20日、「すもも祭」が斎行される。同祭で社頭頒布される「からす団扇（うちわ）」と「からす扇子」は22日・23日も受けることができる。

縁起物のスモモを売る露店

　同祭は、平安時代中期に源頼義と長男・義家が奥州安倍氏平定（前九年の役）の戦勝祈願に立ち寄り、勝利したお礼参りでスモモを供えたことを起源とする。やがて境内に「すもも市」が立つようになり、現在ではスモモなどを販売する多くの露店が並ぶ。

　同祭で頒布する「からす団扇」「からす扇子」は、平安時代の神道資料「古語拾遺（こごしゅうい）」に登場する道具に由来する。これであおいでイナゴを駆除した神話から、五穀豊穣（ほうじょう）を願う信仰に結びついた。悪疫防除や病気平癒の御利益もあり、玄関に飾ると魔をはらい幸福が訪れるといわれる。

　以前は20日のみ頒布したが、コロナ禍では混雑緩和のため3日間に拡大。今年は20日（6時～21時）と22日・23日（9時～17時）に社頭で頒布する。参拝に行けない人は23日19時までに同神社ホームページの専用フォームから予約し、27日までに現金書留で初穂料を納めると郵送で受け取れる。