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府中市郷土の森博物館の風景を愛した写真家 田村智久さん作品展

田村智久さん 提供:田村すみれさん

田村智久さん 提供:田村すみれさん

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 「田村智久写真展 花の森八景 第2章ヒカリトワ」が現在、府中市郷土の森博物館(府中市南町6、TEL 042-368-7921)本館2階の企画展示室で開催されている。

田村智久写真展の会場 提供:府中市郷土の森博物館

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 田村さんは1956(昭和31)年に神奈川県川崎市で生まれ、カメラマンとしてコマーシャルやエディトリアルなど幅広い分野で活躍した。2001(平成13)年に若年性パーキンソン病を患い商業写真の道を断念したが、数年後に治療の一環として再びカメラを手にして撮影を始めた。

 住んでいた府中市内の景色を多く撮影し、特に同館園内で咲く花や風景に心を寄せ10年以上通った。梅やアジサイなど時季の花、新緑や紅葉の中にたたずむ古い建物など、四季の変化によって異なる姿に心をつかまれたという。

 2018(平成30)年に同館で写真展「花の森八景-萌えさかる花たちを謳(うた)う」を開催すると評判を呼び、2022年6月にミッテン府中で同展を再開催した。次回の博物館企画展が決まっていた同展会期中、突然の病で亡くなった。

 今回の企画展は、田村さんが亡くなる直前まで作品を選び準備を進めていたもの。常々「自分が感じた美しい植物の姿をそのまま写真に収めるには、どのような光が最もふさわしいかを考えなければならない」と話していた田村さんは、企画展のテーマを「光 Lumiere(ルミエール)」に決めていた。

 同館企画担当の荒さんは「田村さんは、雪の降る中でも、太陽が照りつける中でも車いすで通い、熱心に撮影していた。写真は『光』を捉えて『永遠(とわ)』に残す芸術だと考えていた」と話す。「今回の『第2章ヒカリトワ』では彼の活動を支え続けた人たちと協力して、未発表の作品を中心に「光を捉えた」写真を展示している。一人の写真家を魅了し続けた生命にあふれる花や木々など、当館園内の美しい姿を心ゆくまで鑑賞してほしい」とも。

 開館時間は9時~17時(入場は16時まで)。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日)。企画展の観覧は無料(入場料が必要)。8月27日まで。

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