調布の深大寺（調布市深大寺元町5）を舞台にした｢深大寺短編恋愛小説 深大寺恋物語第5集｣が4月3日、発売された。

　公募は、調布青年会議所や深大寺そば組合、深大寺奉賛会、市民活動支援団体などが実行委員会を立ち上げ、深大寺地域の活性化のため2004年から始めた事業。関東有数の古刹（こさつ）である天台宗別格本山「深大寺」の発祥は、その名前の由来でもある「深沙大王」という神様にまつわる「縁結び」の物語に由来することが企画のきっかけとなった。深大寺と、その門前に並ぶ多くのそば店や土産店、都立神代植物公園など、周辺の｢豊かな自然や花と緑｣を盛り込んだ現代のラブストーリーを4,000字以内で公募し、さまざまな形で展開している。

　同冊子には、昨年5回目を迎えた公募事業「深大寺短編恋愛小説」の受賞作品集で、応募総数290点の中から入選した作品6点を収める。最優秀賞は池野仁美さんの｢その次｣。審査員は、直木賞作家の村松友視さん、井上荒野さん、元河出書房編集長の藤田三男さんらが務めた。

　同実行委員会実行委員長の大前勝巳さんは「深大寺に頻繁に訪れる人も深大寺が縁結びのお寺であることを知らない人が多い。今後は入賞作品を映像化していくことで、より多くの方に深大寺や水と緑あふれるこの地域を知ってもらい、足を運んでいただきたい｣と話す。

　価格は600円。ネットと一部書店で販売する。現在、次回（6回目）の公募も受け付けている。応募締め切りは7月7日（13時必着）。