都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)のショクダイオオコンニャクが再度、異例の形で発芽した。
同園ではショクダイオオコンニャク4鉢を栽培しており、そのうちの1鉢が5回の開花に成功している。通常、同種は花序か緑葉のいずれかが地上に出てくるが、前回、2022年12月には両方が同時に成長し、葉と一緒に花が咲く世界2例目となる姿を見せた。
同種の花は巨大な花序で「世界一臭い花」と言われるほどの悪臭を放ち、3日もたたずに枯れ始める。同鉢も花序は枯れて倒れたが、同時に伸びていた葉はそのまま大きく成長した。今年8月に葉も枯れ始め、同園スタッフは「これで地上部の全てが枯れたら、まもなく休眠に入るだろう」と思っていた。ところが8月26日、株元から新芽が出ているのを確認した。
栽培担当の星野さんは「今までは花や葉が枯れた後に芋(塊茎=かいけい)が休眠し、数カ月後に新しい芽を伸ばし始めた。こんな風にまだ立っている葉の根元から、休眠せずに新芽が出るのは聞いたことがない」と驚きを隠せない。
芋の生態に詳しい小石川植物園(文京区)の邑田仁さんは「芋から芽や根がどのように出ているか見ることができれば、もう少し詳しいことが分かるかもしれない」と話す。同園担当者は「今後どのように成長するか見守っていきたい。ショクダイオオコンニャクの生態に関する一つのデータになれば」と話す。
開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。