都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)の秋の風物詩「第63回神代植物公園菊花大会」が10月28日、始まる。
同大会は1961(昭和36)年の開園から続く伝統的な行事で、愛好家が育てた大菊の鉢物や小菊の盆栽など約350点を展示して美しさを競う。
菊花にはさまざまな仕立て方がある。「盆養(ぼんよう」とも呼ばれる「三本仕立て」は、1本の苗から3本の枝を伸ばし3つの花を調和させて咲かせたもの。「福助作り」は小さな5号鉢に大きな花1輪を咲かせる。鉢底から花首までの高さが40センチ以下になるように育てる。「だるま作り」は福助作りより一回り大きい7号鉢に、大菊を3本仕立てで咲かせる。鉢底から花首までの高さは60センチ以下。「懸崖仕立て」は小菊の枝を垂らして、断崖絶壁に自生する木の姿を表現する。
さらに、草本である小菊をわずか15カ月ほどで老大樹のような容姿に仕立てた「小菊盆栽」や、江戸時代に日本各地で独自に発展を遂げた地方色豊かな「江戸菊」「嵯峨菊」「伊勢菊」などの古典菊も展示する。
会場には、30年以上前から毎年制作している「神代花車」が今年も登場し、秋の園内をにぎやかに彩る。年代物の荷車の上に色とりどりの小菊を職員5、6人がかりで組み上げて作る大作で、同大会の見どころの一つ。
広報担当の土方千鶴さんは「毎年、見事に仕立てられた菊花から出品者の熱意が感じられ、見る者の心を引きつける。今年も秋空の下で、伝統が脈打つ菊の姿を楽しんでほしい」と話す。
開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。11月19日まで。