深大寺(調布市深大寺元町5)が10月30日、「そば守観世音菩薩(ぼさつ)」造立60周年を記念して「刺しゅう(ししゅう)入り特別御朱印」の授与を始める。
深大寺周辺はそば栽培に適した地質で、そば打ちに使う清らかな水も豊富にある。江戸時代、近隣農家から深大寺に納められたそば粉で打ったそば切りが来山者に評判になった。元禄年間には上野の東叡山寛永寺の法親王に献上し絶賛され、江戸名所図会でも「極めて絶品」と紹介された。
「そば守観世音菩薩」は1963(昭和38)年、同寺の鍛冶八十男さんが願主になり、地元の奉賛会が協力し、「そばごちそう門前」の浅田平八さんが講元になり建立された。当初は山門内側に祭られていたが、2013(平成25)年に「いつでも誰でも参拝できるように」と境内入り口、京王バスのロータリー西側へ遷座(せんざ)した。
国内唯一とされる「そば守観世音菩薩」は、左手にそばの実、右手にそば徳利(とっくり)を持ち、法隆寺の百済観音のような立ち姿をしている。毎年12月には「そば守観音供養祭・そば献供式」が行われる。
同寺は造立60周年を記念し、そばの花をデザインした刺しゅうと観音像を押印した特別御朱印を数量限定で授与する。授与期間は10月30日~11月20日の月曜と、「そばまつり」開催期間の11月25日~12月3日。授与料は専用クリアファイル入りで1,200円。