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国立天文台で「三鷹・星と宇宙の日」 秋空の下、4年ぶりフル現地開催

太陽塔望遠鏡の最上部(高さ約20メートル)にあるシーロスタット(直径60センチの平面鏡)を見学

太陽塔望遠鏡の最上部(高さ約20メートル)にあるシーロスタット(直径60センチの平面鏡)を見学

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 「三鷹・星と宇宙の日」が10月28日、国立天文台三鷹キャンパスと隣接地域(三鷹市大沢2)で行われ、事前に申し込んだ天文ファンや親子連れなど約1000人が参加した。

大きな太陽フレア望遠鏡を見上げる見学者たち。記念撮影する人が多い

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 普段は関係者しか入れない観測所や実験施設を公開し、最新の研究成果を紹介したり、研究者による講演会を開いたりする同イベント。「国立天文台」「アストロバイオロジーセンター」「東京大学大学院 理学系研究科附属 天文学教育研究センター」「総合研究大学院大学 先端学術院 天文科学コース」が共同で毎年行っている。コロナ禍の2020年と2021年はオンラインのみで開催し、昨年はオンラインと事前申込者500人を対象に一部現地開催というハイブリッド方式で行った。今年は4年ぶりに全コンテンツを現地で開催(一部オンラインでも配信)し、秋空の下で研究者と参加者が和やかに交流した。

 人気の4D2U(フォー・ディー・トゥー・ユー=4次元デジタル宇宙)ドームシアターで行う「ミニ講演会」と大セミナー室で行う「メイン講演」は事前申し込みで当選した人だけの限定視聴だったが、それ以外の各所で開いた「ミニ講演」には自由に参加でき、熱心な天文ファンが最新研究や観測プロジェクトに耳を傾けた。

 東京大学アタカマ天文台TAO(タオ)計画を見学していた国際基督教大学(三鷹市)に通う女性と同伴者は「近くにあるこの施設に初めて入った」「学園祭みたいで楽しい」と笑顔を見せた。すばる望遠鏡で撮られた宇宙画像から銀河を探すゲームに挑戦した小学生は「幼い頃から宇宙飛行士になるのが夢」と言い、ゲームも満点だった。ドリンク片手に研究者から科学の話を聞くサイエンスカフェに参加したファミリーは「ブラックホールについて、いっぱい教えてもらった」と満足げだった。

 太陽フレア望遠鏡ではリアルタイムの太陽表面をモニター画面に映したり、先端技術センターの技術者が機械加工のデモンストレーションをしたり、国登録有形文化財の古い太陽塔望遠鏡(通称「アインシュタイン塔」)で当日の太陽スペクトルを実際に見せたりと、広いキャンパスのあちこちで専門家による技が披露された。

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