深大寺(調布市深大寺元町5)は11月24日、2027年建立予定の「白鳳院(はくほういん)」の設計を隈研吾建築都市設計事務所と契約したと発表した。
同寺は2033年に開創1300年を迎えることを記念して、東日本最古の国宝仏である銅造釈迦如来倚像(どうぞうしゃかにょらいいぞう=通称・白鳳仏)を安置する「白鳳院」を建立する。同仏像は飛鳥時代後期(白鳳期)に造られ、当時の特徴の一つである椅子に腰かけた姿をしている。製造技術が高く保存状態の良い名品として2017(平成29)年、国宝に指定された。
同院建立計画は2021年末に発表されたが、物価高騰などの理由により一時中断。今回、世界的な建築家である隈さんが設計を担当することで計画が再開した。来夏までに基本設計を行い、2025年に着工、2027年春に竣工し秋に落慶の予定。
隈さんは1990(平成2)年に隈研吾建築都市設計事務所を設立し、現在40を超える国々でプロジェクトを進行している。2019年完成の新国立競技場は小径木の集合体としてデザインされ、自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案している。
同寺担当者は「白鳳仏の美と信仰を大切にし、明るく平和な世界を記念する場としての白鳳院を目指したい。水と緑の多い深大寺にふさわしい景観を隈さんが考えている」と話す。
現在、同寺では白鳳院建立のために広く寄進を呼びかけている。寄進額に応じて無料拝観券と、特別限定御朱印や特別カードお守りを授与する。10万円以上の寄進者にはフィギュアメーカー「海洋堂」が製作した「国宝 白鳳仏御分身像」(限定300体・縮小複製・全高約9センチ)を返礼品として用意する。寄進はホームページで受け付ける。