都立神代植物公園(調布市深大寺元町5)で3月2日、リニューアル中の宿根草園に市民の手で花苗を植えるイベントが行われた。
「人にも環境にも優しい宿根草園(ペレニアルガーデン)」を目指し、昨秋に始まった「JINDAIペレニアルガーデンプロジェクト」。市民と公園が協働で育て活用するコミュニティーガーデンを実現するためにワークショップを定期的に開いてきた。参加者は花壇デザインや生物多様性を学び、花苗や球根の植え付けを行い、さらに同園での過ごし方や楽しみ方、利用や活用のアイデアについても話し合いを重ねた。出された意見をまとめて、宿根草園の将来像として制作中の「夢マップ」も当日発表した。
植え付け作業はワークショップ参加者35人がホスト役になり、応募した市民約60人と協働で行った。ワークショップに参加者した内田美奈さんは「ここには植物写真を撮りによく来ていた。今回の学びや体験を通じてガーデンデザインに一層興味を持ったので、今後の活動に生かしたい」と話し、手際よく苗を植えた。家族と参加した小学4年生は「花を植えるのはめちゃくちゃ楽しい」と笑顔を見せた。
ガーデンデザイナー吉谷桂子さんの基本計画を元にワークショップの参加者たちが植栽した新しい宿根草園は、柔らかな曲線で囲まれた数個の花壇から成る。今回は4つのエリアにクリスマスローズ、エキナセア、ルドベキアなど四季ごとに見頃を迎える花を植えた。来年度以降、残りのエリアにも花苗や球根を順次、植えていく。一般公開は3月下旬を予定。
東京都公園協会の桃井好さんは「今回植えた花苗が順調に育つと季節ごとにさまざまな花が咲き始めるので、四季折々に変化する風景を楽しんでいただけるのでは」と話す。「宿根草を育てることを通じて動植物を含めた生態系の維持など、自然環境に関心を寄せる機会になれば。多くの市民が関わることで、ここを『自分たちの庭』と誇りに思い、老若男女が楽しく集い、車いすやベビーカーを使う人もくつろげる場になってほしい。人々のコミュニケーションが周辺地域にも染み出すように広がり、やがて『緑のまちづくり』に発展すれば」と期待を寄せる。
現在、同園正門手前プロムナード(無料区域)で宿根草を活用したガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」を開催中。四季を通じて成長するガーデンを自由に見学できる。