メディアアートを楽しみながら情報プログラミングを学ぶ教室「Creatif(クレアティフ)メディアアートスペース」(調布市小島町1、TEL 042-444-8025)が4月19日、調布駅近くにオープンした。
調布市文化会館たづくりで開催された、体験型メディアアートのワークショップの様子
電気通信大学情報理工学研究科の准教授で、磁性流体のアートプロジェクト「突き出す、流れる」やモーションセンセーを組み込んだボール「跳ね星」を開発し、インタラクティブアートへ応用するプロジェクトなどを手がけ、メディアアーティストとして活躍する児玉幸子さんが監修する同教室。
同大でメディアアートの研究をしている児玉さんは、つくば市や府中市、調布市内で子ども向けのワークショップを不定期に開催。毎回定員を超える盛況で、「継続的に学びたい」などの声が多かったことから、「感覚的なアートの要素とプログラミングを一緒に行えば面白いのでは」と教室を開いた。
同教室では、プログラミング言語のProcessing(プロセッシング)や、3DCGのゲーム開発プラットフォームUnity(ユニティ)などに加え、「教育に生かせたら」と独自の教材を使用。モーションセンサーと赤外線LEDを組み込んだボールを転がし、床面に投影されたCG画像を変化させるボール遊び「そらだま」や、同大非常勤職員で同教室のメイン講師を務める作田遼太郎さんらが制作した、楽器を鳴らすと音の成分がリアルタイムにテクスチャに反映され、コンピューターグラフィックスの映像が変化する「調布サイマテックス」(監修=児玉さん)などを使い、「テクノロジーとアートのコラボ」をSTEAM教育の一つの方法と位置づけ、論理的思考と豊かな感性を結びつけて楽しく作品作りをしながら学べる場を目指す。
同教室は、6歳以上を対象に基礎を学ぶ2コースを設け、パソコンをほとんど使ったことがない人向けの「パソコン初心者コース」(月額9,800円、教材費1,000円)、コンピューターについて基礎的な知識がある人向けの「メディアアート入門コース」(同1万1,500円、同1,000円)、各コース1回50の授業で月2回、7人までの少人数制で行う。今後はAIを取り入れた中級コースも設ける予定。今秋には地下スペースをギャラリーとしてオープンし、生徒や児玉さんの今までの作品などを展示する予定だという。
同教室代表の室村昌一さんは「ただプログラミングだけを教えると難しくてつまずきやすいが、自分の描いた絵がスキャンされ、画面上で生き生きと動くことで、見て分かりやすく、『楽しい』を最初に体感してもらい、小さいお子さまから大人まで、学びながら楽しめる教室にできれば」と話す。