深大寺(調布市深大寺元町5)が7月1日、お盆の時期に合わせて「ほおずき刺繍(ししゅう)特別朱印」の授与を始める。
同寺が刺しゅう入りの特別朱印を授与するのは、昨秋に初めて行った「そば守観世音菩薩(ぼさつ)造立60周年記念 刺繍入り特別御朱印」以来。今回の朱印には、盆棚飾りなどに用いられるホオズキをアーチ状に並べた刺しゅうを施す。中央の文字は、お盆の頃に行われる「施餓鬼法要」にゆかりがある「甘露王」を書く。甘露王は仏教で大切にされている5つの如来(五如来)の一尊「阿弥陀(あみだ)如来」の別名で、同寺の本尊でもある。朱印は阿弥陀如来を表す梵字(ぼんじ)の「キリク」を押す。
授与日は8月12日までの月曜と、新暦盆の7月13日~15日、調布など多摩地域の盆期間である7月31日~8月2日、旧暦盆の8月13日~15日。多摩地域は養蚕が盛んだった時代に、初秋蚕が繭を作る繁忙期(8月中旬)を避けて8月1日に盆行事をする農家が多かった。授与料は1,200円。
授与日のうち7月13日~15日、7月31日~8月2日、8月12日~15日の3回、山門前に「鬼灯(ほおずき)ハッピーゲート」を設置する。ゲートは枝ホオズキを束ねてアーチ状にしたもので、特別朱印の刺しゅう部分のモチーフになっている。有志による制作委員会が「ホオズキを使って独自のイベントを行いたい」と2017(平成29)年、手作りで始めた。コロナ禍で中断したが、昨年復活すると「夏の厄よけにもつながる赤色が写真映えする」と人気になった。同寺広報担当の神原玄裕さんは「『幸いを招くハッピーゲート』をくぐって、厄を払い、福を招いていただければ」と話す。