都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)水生植物園で現在、赤い彼岸花に交じって白い彼岸花が咲き、訪れる人の目を楽しませている。
同園では毎年秋の彼岸のころ、遊歩道に沿って彼岸花が赤い小川のように咲き並び、市内や近隣から来園者が観賞に訪れている。今年は夏の猛暑と彼岸前の冷え込みの影響により、例年より開花が遅れ、9月末にようやく咲き始めた。その中の一部に白い花を咲かせる種類があり、珍しい「白い彼岸花」として写真愛好家らが盛んにカメラを向けている。
彼岸花はヒガンバナ科の多年草で曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも呼ばれる。曼珠沙華という言葉は、梵語で「赤い花」とか「天上の花」という意味でその名の通り赤い花弁が特徴である。白い彼岸花は正式には「シロバナマンジュシャゲ」といい、彼岸花に似た黄色のショウキズイセンとヒガンバナとの交雑種とされる。白く見える花は近くで観察すると純白ではなく、うっすらと黄色や淡いピンク色を帯びている。
同園内西側の丘にある深大寺城跡でも赤い彼岸花が群生しているが、その開花より一足早い9月15日、「黄色の彼岸花」とも呼ばれるショウキズイセンが咲いた。
ショウキズイセンの開花も見たという主婦は「黄色い彼岸花は残暑の厳しいときに咲いた。その後雨が降って寒くなったせいか、赤い彼岸花のつぼみは伸びてから開花するまで長い期間がかかった。少しまばらな印象もするが、一斉に枯れることなく長く花を楽しめるかも」と話す。「白い彼岸花がもっと増えたら紅白に咲いて、秋の園内がさらにきれいな風景になるかも」と今後を楽しみにしている。