調布文化会館たづくり「くすの木ホール」で7月3日、「第54回調布市郷土芸能祭ばやし保存大会」が開催された。調布市・調布市教育委員会、調布市郷土芸能祭ばやし保存会の共催。
調布の祭りばやしは「調布市無形民俗文化財」に指定されており、今回の大会では子ども連4連を含め10チーム14連が参加。大太鼓、締太鼓(しめだいこ)、しの笛、鉦(しょう)、拍子木などによるはやしの演奏と獅子舞、おかめ、ひょっとこの踊りなどが演じられ、熱のこもった舞台が展開された。
祭ばやしは日本各地域にある神社の祭礼に密接に関わって発展してきたもので、全国で単一の起源にさかのぼることはできない。江戸で生まれた祭ばやしが調布に伝わった時期は江戸末期とも明治初めとも言われているが定かではない。調布に伝承されたはやしの流儀は2つあり、世田谷の船橋から伝わった船橋流といわれる「船橋ばやし」系統は飛田給、上石原、下石原、仙川、金子、深大寺で、「下町ばやし」系統は小島町、上布田、下布田、国領、柴崎、上ヶ給の各町内チームで継承されており、それぞれリズムなどに違いがある。
調布各町内にあった祭ばやしは継承者が無く途絶えたところもあったが、はやしを永く保存しようと、有志により1956(昭和31)年に調布市郷土芸能祭ばやし保存会が創立され、毎年郷土芸能祭ばやし保存大会が開催されるようになった。現在12チームが会員となっており、保存継承活動が続けられている。井田会長は「お祭りの時などには各町内会で祭りばやしを演奏するので、皆さんに見て聞いてほしい。もし、祭ばやしをやってみたいと思ったら、老若男女問わず参加してほしい。少しでも後継者を増やし調布の郷土芸能を後生に伝え続けたい」と話す。