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調布・震災復興への取り組み続く-岩手県へのボランティア派遣やランチ会議で

第1期のボランティア作業風景。派遣された岩手県上閉伊郡大槌町の小槌川で河川敷の清掃と川底の瓦礫撤去作業を実施。腕まで伸びた草を刈ると、河口から何キロも離れているのに下からピアノやタイヤ、炊飯器などが出てくる

第1期のボランティア作業風景。派遣された岩手県上閉伊郡大槌町の小槌川で河川敷の清掃と川底の瓦礫撤去作業を実施。腕まで伸びた草を刈ると、河口から何キロも離れているのに下からピアノやタイヤ、炊飯器などが出てくる

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 調布にある「味の素スタジアム」での原発避難者受け入れをきっかけに、震災支援を申し出た2800人以上の登録者に活動の場を提供する取り組みが続いている。

募集内容の詳細を公開している「調布市被災者支援ボランティアセンター」ホームページ(関連画像)

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 調布市社会福祉協議会では、岩手県遠野市を支援拠点とするボランティアに参加する市民を募集。第1期は終了し、9月21日からの第2期も定員に達したため募集を終了。現在は9月28日からの第3期以降を募集中。1期間は3泊4日で、水曜日に調布からバスで出発し土曜日に戻る。10月26日出発の第7期まで計画されている。

 同市と遠野市は漫画家の水木しげるさんの縁で文化および経済交流を積極的に推進していく計画をしていたところに今回の震災が発生。4月には同市職員28人が遠野市を訪問し、遠野を拠点として被災地支援を行った。

 派遣先での活動内容は現地の要望に応じて決められ、家屋の片付けや田んぼのがれき撤去などの力仕事だけでなく、女性でも参加可能な支援活動もあるという。各回定員10人(最低催行人数5人)。費用は4,000円で、現地公共施設の宿泊代、7食分の弁当代が含まれる。それ以外の食事代や保険代などは自己負担。現地までの往復バス代は、同市国領町に日本本社を置く「マニュライフ生命保険」ほか市内企業の寄付金、市からの補助金などで賄われる。

 一方、味の素スタジアムでのボランティア登録の窓口となった「調布市被災者支援ボランティアセンター」は現在、調布市および近隣自治体の被災者支援情報をとりまとめるホームページを運営するほか、登録者と週1回ランチ会議を行い、今後の展開についての意見交換を行うなどの活動を行っている。被災地や調布市内に移住した被災者の支援だけでなく、今後、調布が被災地になった時に中心となって活動するための体制づくりが目標だ。

 担当する市民活動支援センターで副センター長を務める朝日敏幸さんは「今回の派遣は企業の支援も含む官民協働の支援事業であるのが特徴。4日間のボランティアでできることは非常に限定的だが、現地の方々は非常に喜んでくれる。そこで生まれる人と人とのつながりが今後の支援において一番大切。実際に被災地を見ると、言葉を失い人ごとには思えなくなる。そのような『人ごとと考えない人』を一人でも増やしたい」と話す。

 派遣事業の詳細はホームページで確認できる。問い合わせは調布市市民活動支援センター(TEL 042-443-1220)まで。

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