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調布の人気ラーメン店「熊王」移転-店主「この味を守っていく」

開店を待ちわびる30人以上が行列を作る新店舗の様子

開店を待ちわびる30人以上が行列を作る新店舗の様子

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 調布の人気ラーメン店「熊王」が10月14日に現在の場所での営業を中止し、同23日から国領駅正面(調布市国領町1、TEL 042-486-2463)で営業を再開する。

「熊王」店主の星野洋輝さん

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 国領駅南側のロータリーに面し、ランチ時や土日は行列が絶えない同店は1970(昭和45)年に開店。40年以上、同じ場所で営業を続けていたが、国領駅前の再開発に伴う道路の拡張により、約150メートル北側の同じ車道沿いで国領駅により近い場所に移転した。

 今から40年以上前、有名店を食べ歩くほどのラーメン好きだった同店店主の星野洋輝さんは、夫人の出身地である北海道で有名ラーメン店「三平」に出合って運命が変わった。「サラリーマンが嫌で、自分で商売を始めたいと思っていたころだった。客にこびず、行列ができるこの店を見た時に、これだ、と体に電気が走った」と当時を回想する。

 その後10年勤めた会社を辞め、35歳で現在の場所で7席のみの札幌ラーメン店を開業。調理の経験がない星野さんは、ラーメン作りの経験のある人を雇って営業する一方、日々スープ作りに専念する。「過労で耳が聞こえなくなるくらい、毎日死ぬほど働いた」と星野さん。自分の納得のいくスープができるまで10年かかったという。

 そのころから、うわさを聞きつけた人でお店は行列ができるようになる。1986(昭和61)年には隣の敷地が空いたことで、現在の14席に増築した。星野さんは「この14席というのが、お客さまへのサービスの面でも、調理できる量の面でも一番いいんだ」と話す。今回、新しく建築した新店舗には20以上の座席を確保できるスペースがあるが、あえて旧店舗と同じ席数にした。調理器具なども新調せず、現在使用中のものを極力移設する。

 「うちの一番人気はやはり『しょうゆ』。『しょうゆ』のスープはごまかしが利かない。店舗は新しくなるが、この味をこれからも守って、引き続き、皆さまに愛される店を目指していきたい」と力強く話す星野さんは今年で78歳。現在はもう厨房(ちゅうぼう)には立っていないが、ラーメンへの愛着と情熱は衰えていない。

 営業時間は12時~翌1時。火曜定休。

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