調布の実篤公園(調布市若葉町1、TEL 03-3326-0648)で現在、「ヒカリモ」が見頃を迎えている。
ヒカリモが浮かんでいる池 周囲が明るいためにほこりに覆われているように見える
東京都内で唯一のヒカリモ公開生息地である同園内ショウブ園。ヒカリモは、10マイクロメートル程度の小さな単細胞の藻の一種が群生して水に浮かび、太陽光に反射して黄金色に光って見える。豊かな湧き水やうっそうと茂った樹木がないと生息が難しく、都心に近い場所で発見されるのは珍しい。日本で初めて発見された千葉県富津市の群生地は「黄金井戸」の名前で天然記念物に指定されているが、2013年の台風による崖崩れで現在は立ち入りを禁止しているため、同園は関東近郊の貴重な公開生息地となっている。
同園のヒカリモは、かつて水路だった約40センチメートル四方の石で囲まれた水たまりに群生し、天候により黄金色に見える。池にもヒカリモが水面に浮かんでいるが、周囲が明るいため、ほこりに覆われているように見え、ヒカリモが増えると池の縁でうっすらと光って見えることがあるという。
同園を訪れていた女性は「天候によって見えないこともあると聞いたが、ひっそりと黄金色に輝くヒカリモを見ることができてうれしい。実篤さんが見ていたら、どんな言葉でどんな絵を描いたのだろう。御利益がありそうな色でパワースポットのよう」と話す。見頃は10月ごろまで。
開園時間は9時~17時。月曜定休。入園無料。