都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)で、世界最大の花といわれる「ショクダイオオコンニャク」が開花した。過去に国内で咲いたのは10例ほどで、開花期間も2~3日間と短い。
強烈な異臭を放ち、無数のコバエなどが飛び交う「ショクダイオオコンニャク」
同花はインドネシアのスマトラ島を原産とするサトイモ科コンニャク属の植物で、別名「スマトラオオコンニャク」という。花序(花の並び方)は、「付属体」と呼ばれる長い棒状の花軸(かじく)とそれを取り囲む「仏炎苞」(ぶつえんほう)からなる。全体の姿がロウソクを立てる燭台(しょくだい)のように見えることから名付けられ、巨大なものは高さ3メートル直径1メートル以上になり「世界最大の花」といわれる。
付属体から強い臭いを発して虫を誘いこみ、滑りやすい仏炎苞で虫を集め、花序下部で雌花に受粉させる仕組み。肉が腐ったような悪臭を放つことから「死体花」や、巨大さから「お化け花」とも呼ばれる。イギリスの王立園芸協会が2009年に行った投票で、世界各地から厳選した植物の中から「世界一醜い花」に選ばれた。今回の花は21日23時に全開となり、高さは191センチメートル、幅は103センチメートルにも及ぶ。
同園では2011年に、小石川植物園(文京区)から譲り受け栽培していた同種の花が咲いた。今回は小石川植物園が公開温室改築工事準備等で展示体制が整わないため、過去に開花実績のある同園で預かり展示することになった。
国内で開花に成功したのは同園と小石川植物園のほか、フラワーパークかごしま(鹿児島県)、はままつフラワーパーク(静岡県)、筑波実験植園(茨城県)など。担当者は「とても珍しい花で開花期間も短いので、この機会に多くの市民に鑑賞していただきたい」と話す。
開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。