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調布・国産豆板醤の「ユウキ食品」が50周年 未知の味求め時代と共に

調布に本社を置く食品メーカー「ユウキ食品」が50周年。同広報部・髙原睦さんと同公式キャラクター『とうばんにゃん』

調布に本社を置く食品メーカー「ユウキ食品」が50周年。同広報部・髙原睦さんと同公式キャラクター『とうばんにゃん』

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 調布に本社を置き、中華食材をはじめ、韓国、エスニック系食材、スパイスやドレッシングなど、世界各国の調味料や食材を取り扱う食品メーカー「ユウキ食品」(調布市富士見町1)が8月で50周年を迎え、現在、記念事業などを展開している。

「ユウキ食品」50周年 記念ロゴやキャラクター、「100の食卓『やさしい味わいのガラスープ』を使った絵本仕立てのレシピ集」

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 1974(昭和49)年創業の同社は、国内製造する豆板醤(トウバンジャン)「四川豆板醤」の発売を原点に、甜面醤(テンメンジャン)、ガラスープやオイスターソースなどの中華調味料を主軸に商品を展開。1980年代に入り、中華風インスタント麺の流行などにより市場が拡大した。「人々が心豊かになる食卓」「未知なるおいしさ」を求め、流行やマーケティング重視ではなく、アイデアを形にする自由な社風で商品開発に取り組む。「激辛ブーム」「エスニックブーム」、テレビ番組「料理の鉄人」の影響、サッカー日韓ワールドカップ開催以降の「韓国ブーム」などを背景に多様化する日本人の食文化や、コロナ禍で家庭料理に豊かさや楽しみを求める傾向の高まりなど、時代の変遷ごとに同社既存の各商品が需要を伸ばしてきたという。2006(平成18)年には世界最大のスパイスメーカー米マコーミック社からの事業譲渡を受け欧米の食材も強化し、さらなるグローバル化を実現。現在、約900品目の食品を取り扱っている。

 ここ数年はSNSの影響が大きく、ライスペーパーの売れ行きが好調だという。春巻きとしてだけでなく、求肥(ぎゅうひ)のような食感を生かし、クリームやフルーツを巻いたデザート風や、わらび餅風アレンジなど、「意外なメニュー」が次々に投稿され、若い世代にも受け入れられた。米が原料であることから、アレルギー対応食品としても注目された。「こんなに長期間、右肩上がりに売れ続ける商品も珍しい」と担当者も驚く。

 50周年の今年、「おいしさのみちをひらく」を新たなタグラインとし、同社の原点となる商品「四川豆板醤」をモチーフにした猫の公式キャラクター『とうばんにゃん』を誕生させたほか、本社や工場を置く地元へのさらなる貢献、食育などを念頭に事業を展開。

 その一環として、「100の食卓『やさしい味わいのガラスープ』を使った絵本仕立てのレシピ集」を制作した。調布市内では、小中学校、保育園、図書館、児童館などにも寄贈し、ウェブサイトやインスタグラムでも内容を公開。地域イベントや子ども食堂などへの協賛や商品提供などにも力を入れるほか、愛用者向けに「四川豆板醤」を長期熟成させた「プレミアム豆板醤」のプレゼント企画なども行った。

 10月12日~14日は「二子玉川ライズ スタジオ&ホール」(世田谷区)でポップアップストアを開催。同社定番商品や通常あまり店頭に並ばない商品を展示販売するほか、ステージやワークショップ、キッチンカーの出店などを予定する。ワークショップではガラスープを使った「ふりかけ作り」や、「だし飲みくらべ」などを行う。料理研究家のクッキングステージや、同社提供のラジオ番組「高嶋ちさ子 taste of the World」の公開収録なども行う。

 担当の高原睦さんは「大手にはできない少人数での自由な商品開発を強みに成長してきた。時に、商品化が早すぎてブームの前に生産を中止してしまった商品も数多いが、おいしいものを食べてもらいたい、良い原料で素材の味を大事にする商品を届けたいという、創業当初からの変わらない『ユウキ』らしさを、この50周年を機に皆さんにお伝えできれば」と話す。

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