府中市郷土の森博物館(府中市南町6、TEL 042-368-7921)でロウバイの花が開花し、間もなく見頃を迎える。
ロウバイは中国原産の落葉樹で、小さな黄色い花びらと甘い香りが特徴。名前は、漢名の「蝋梅」の音読みだが、それ以外に「朧月(ろうげつ=旧暦12月の別名、現在の暦で1月ごろ)に咲くから」「光沢のある黄色い半透明の花びらが蝋(ろう)細工のようだから」ともいわれる。
同館では3年前、園内南側に全長180メートルの「ロウバイの小径(こみち)」を整備。昨年は新たに大ぶりの木を30本ほど追加して、和蝋梅(ワロウバイ)・素心蝋梅(ソシンロウバイ)・満月蝋梅(マンゲツロウバイ)の3種類約130本を楽しめるようにした。
広報担当の柏さんは「ろう細工のようなかれんな花からほのかに甘い香りが漂い、冬枯れの景色の中で一服の清涼剤のような癒やしをもたらしてくれる」と話す。今シーズンは12月13日ごろに咲き始め、1月下旬まで見頃が続く。「年が明けると早咲きの梅がほころび始めるので、ロウバイから梅の花への移り変わりも楽しんでもらえれば」とも。
寒さが厳しい時季には、シモバシラという植物の根元で「氷の花」が咲いたような現象も見られる。本来の花は、秋に小さな白い穂状のものを茎の上の方で開花。厳冬期に見られる「氷の花」は、枯れた茎から染み出た水分が根元で凍ったもので、小さなタケノコのように伸びたり、ソフトクリームのように盛り上がったりと、さまざまな形になる。雨の降った翌朝や最低気温が0度以下の朝、旧河内家住宅裏・田んぼ付近・浅間山エリアなどで見られる。柏さんは「気温が上がると解けてしまうので、見たい方は開園後すぐに観察を」と呼びかける。
開館時間は9時~17時(入館は16時まで)。月曜(祝日の場合は翌日)と12月29日~1月3日休園。入館料は、一般=300円、中学生以下=150円、4歳未満と「学びのパスポート」利用者は無料。