
東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)で4月5日、天使をテーマにした絵画展「絵画のなかにいる天使をさがしながら」が始まる。
同展では、クラウス・ファイファールさんの「THE STORY OF DAIDALOS-SOKRATES’ANCESTOR」や白根光夫さんの「無題」、坂口登さんの「ENIGMA AND BEAUTY」など約60点を展示する。
東京造形大学教授の藤井匡さんは「美術が宗教を離れて以降、天使を描く意味も変化した。最も有名な作品はパウル・クレーの描いた天使で、それはヴァルター・ベンヤミンに『歴史哲学テーゼ』を書かせ、ヴィム・ヴェンダースに映画『ベルリン・天使の詩』を作らせた。当展で紹介するファイファール作品もクレーの天使の系譜に当たるが、それぞれの天使が伝えることは異なる」と話す。
「ファイファールの天使作品に、ロープの上に左足を慎重に下ろそうとしている姿を描いたものある。飛ぶことを禁止されたかのように、羽根と手首が結びつけられているためで、その目は遠くを見ず、足元に向けられている。彼の描く天使は1989年以降の『ポスト冷戦時代』を生きる私たちの姿とつながっているようだ。競争原理がむき出しになった世界で、そこから一歩引いて自分の居場所を確かめようとする姿と天使がつながる」と評している。
同展の作品全体について、「直接的に天使が描かれていなくても、絵画の中に天使をすまわせているように感じられる。先の見通せない時代を生きる私たちに寄り添うように、つつましくたたずんでいる」とも。「この展覧会で絵画の中にいる天使を探しながら、私たちの生きる時代について、もう一度考えてみよう」と呼びかける。
開館時間は11時~18時30分(入館は18時まで)。月曜~水曜休館。入館料は、一般=500円、大学生・高校生=400円、小中学生=300円。6月29日まで。