調布市の平和祈念事業の一環として企画された「平和映画祭2025」が12月6日、調布市文化会館たづくり(調布市小島町2)くすのきホールで開催される。主催は調布市平和祈念映画会実行委員会。
調布市では、1983(昭和58)年に市議会が「調布市非核平和都市宣言」を、1990(平成2年)には市が「調布市国際交流平和都市宣言」を行い、以来、平和祈念祭や展示会を毎年実施している。平和映画祭もその一環として開催してきたが、実行委員会の高齢化やコロナ禍の影響で、2018(平成30)年を最後に休止。今年は戦後80年、市制施行70周年、国際交流平和都市宣言35周年の節目の年で、「映画のまち調布」として、映像文化を通じて平和を考える場を絶やさないようにと、7年ぶりに再開する。
上映作品の「この世界の片隅に」は、広島・呉市を舞台に戦時下に暮らす主人公すずの生活を史実に基づき描いたアニメーション。クラウドファンディングで制作資金を調達し、多くの観客の支持を得てロングラン上映となった作品で、日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞など数々の賞を受賞している。実行委員長の嶋田理明さんは「普段アニメに親しみのない人にも見てほしい」という。
「戦争の悲惨な映像ではなく、失われた日常の輝きを静かに描き、平和の大切さや生きる希望を感じさせる作品であること」が、同作品を選んだ理由だという。「子どもから、戦争を経験した高齢者まで、幅広い世代に届けたい」。上映は3回行い、収益は今後の活動費と能登の復興支援に充てる。
嶋田さんは「今の生活の尊さや平和のありがたさを感じ、戦争について考えるきっかけになれば」と話す。
上演開始時間は、午前の部=10時、午後の部=14時、夜の部=18時。チケットは、前売り=500円、学生前売り300円、当日=700円。