調布市文化会館たづくり(調布市小島町2)で7月17日、6月15日から開催している「こころの魚 深堀隆介金魚作品展」の入場者数が1万人を超えた。
深堀隆介さんは1999年から制作活動を始め、2000年にスランプに陥った時、7年間粗末に飼っていた金魚に初めて魅了された。深堀さんはこれを「金魚救い」と呼んでいる。2002年には、器の中に樹脂を流し込み、その上に直接金魚を描くというオリジナルの技法を編み出し、作品を発表。その後、金魚を通してジャンルにとらわれない多彩な表現を試みている。
同展では、大学の卒業制作に始まり、「金魚」という自身のモチーフにたどり着くまでの作品の変遷をたどれるのが大きな見どころ。今月15日には、事前の予告なしに「『ゲリラ』ギャラリートーク」を行い、フナから派生した鑑賞用の魚・金魚が、日本人の美意識や精神性に根差していると感じる理由や創作に樹脂を用いることを思いついてからの技法の工夫と変遷、おけや升など木製容器に金魚を描くことの必然性などを話した。
同展に訪れた市内在勤の30代女性は「本物の金魚が泳いでいるような作品で、細かいところまでよく見てみたが、やはり本物にしか見えない。涼しげで金魚がこんなに美しいものなのかと魅了された。制作風景を見てみたい」と話す。
開催時間は10時~18時。入場無料。21日まで。