調布市染地の斉藤農園(調布市染地1)で5月12日、春野菜の収穫体験が行われる。
先祖代々農業を営み300年ほどの歴史がある斉藤農園。住宅地の中に広がる約55アールの畑は現在、11代目の斉藤修太郎さんが中心となって、家族で米や多品種の野菜を栽培している。斉藤さんは「生産地と住宅地の兼ね合い、天候などに悩まされることもあるが、農業は自分のペースで作業ができ、毎年心機一転チャレンジできる面白さがある。育てたお米や野菜を周囲の方においしいといってもらえる喜びが大きい」と話す。
斉藤さんは、定番野菜に加え、イタリア系などの西洋野菜の栽培にチャレンジして品種を増やしている。菜の花に似た「アスパラ菜」は、同農園の人気野菜で、地元でも定着しつつあるという。「できる範囲で野菜のバラエティーを増やし、地域の定番となる野菜を作りたい」とも。
体験で収穫可能な春野菜は、タマネギ、キャベツ、ジャガイモ、ロメインレタス、スナップエンドウ、空豆など。好きな野菜を選んで収穫後、量り売りするスタイルで、5年前、イチゴの摘み取りに合わせて野菜の収穫体験も始めた。購入者から「どんな風にできているのか」「元の姿がわからない」といった問い合わせが寄せられたことから、「宅地に囲まれた畑で生産している地の利を生かし、野菜をもっと理解してもらえるように始めた」と言う。
4月29日に開催された同体験には100人以上が訪れた。近隣住民を中心に、市外からの参加者もあり、その8割が家族連れだという。口コミで広がり、リピーターも多い。「調布は畑も多く、農家同志のつながりも深い。互いに交流、情報交換しながら直売会や収穫体験などを開催し、地産地消を盛り上げていきたい」と斉藤さん。
斉藤さんは「畑に入れる格好で来ていただければ。農家用のハサミを使うので、特にお子さまなどは気をつけてもらいたい。生育状況によるが6月中旬あたりからは、枝豆やトウモロコシ、トマトなど夏野菜の収穫体験も毎年企画するので、こちらも楽しみにしていただければうれしい」と話す。
受付は9時~11時30分。料金は収穫した野菜ごとの量り売りで、タマネギ(1キロ)は200円など。入場無料。雨天中止。(中止の場合はフェイスブックで告知)。