調布市せんがわ劇場(調布市仙川町1、TEL 03-3300-0611)で7月14日・15日、「第9回せんがわ劇場演劇コンクール」が開催された。
2009年から開催している同コンクールは、同劇場による舞台芸術活動者の育成支援プログラムの出発点と位置付け、コンクール終了後もファイナリストを支援する独自の取り組みが特徴で、9回目を迎えた。
1次審査を通過した6団体が各40分の作品を上演。審査を行ったのは、ステージナタリー編集長の熊井玲さん、演出家・俳優でTHEATRE MOMENTS主宰の佐川大輔さん、劇作家・演出家・俳優でMONO代表の土田英生さん、翻訳家の常田景子さん、振付家・演出家・俳優でFAIFAI所属・三月企画主宰の野上絹代さんが務める専門審査員、同劇場周辺地域の団体関係者による特別審査員、公募で募った市民審査員。
本選上演作品は、コトリ会議「チラ美のスカート」、ブルーエゴナク「おとずれないひのために」、ゆうめい「家を走る」、すこやかクラブ「遠くへ行きたい」、パンチェッタ「Parsley」、N2/エヌツー「桜紙」。
グランプリを受賞したのは、パンチェッタの「Parsley」。特別審査員、市民審査員および全ステージを観覧した観客の投票で選出されるオーディエンス賞も同団体が受賞し、第4回以来久々のW受賞となった。
そのほか、個人賞として、すこやかクラブ「遠くへ行きたい」のうえもとしほさんに演出家賞、コトリ会議「チラ美のスカート」の山本正典さんに劇作家賞、パンチェッタの出演者全員に俳優賞が贈られた。パンチェッタはこの賞を含め3冠となった。さらに、専門審査員からの希望により特別賞が急きょ設定され、ゆうめい「家を走る」に贈られた。
グランプリを受賞したパンチェッタの一宮周平さんは、表彰式の受賞コメントで「おととしは応募したものの本選に進めず、昨年は応募もしなかったが、今年もう一度チャレンジして、こうして受賞できたことがうれしい。アウトリーチなどにも興味があり、せんがわ劇場で今後こうした活動もやっていきたい」と話した。