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調布の美術館で古典悲劇「フェードル」ロングラン ドイツ人演出家「うずめ劇場」

古代ギリシャ、アテネの王妃フェードル(左=後藤まなみさん)は、先妻の息子で自分よりも年下のイポリット(右=石川湖太朗さん)に道ならぬ激しい恋をする

古代ギリシャ、アテネの王妃フェードル(左=後藤まなみさん)は、先妻の息子で自分よりも年下のイポリット(右=石川湖太朗さん)に道ならぬ激しい恋をする

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 うずめ劇場の第29回公演「フェードル」が現在、東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)でロングラン上演し注目を集めている。

うずめ劇場の第29回公演「フェードル」。イラスト=内田春菊、建物写真 ©田村彰英

 同劇団は旧東ドイツ出身の演出家ペーター・ゲスナーさん(現・桐朋学園芸術短期大学専攻科演劇専攻教授)が1995年、北九州で設立。2007年、東京に移転した。第一回利賀演出家コンクール(2000年)で最優秀賞を受賞。ゲスナーさんによる本格的な演劇メソッドを基盤に、アングラ演劇・海外の古典・現代演劇の初訳初演など、幅広い戯曲を翻案・上演している。2018年、アジア演劇大学フェスティバル(韓国)でゲスナーさんが演出した「ゴドーを待ちながら」(桐朋学園)がベスト・パフォーマンス賞(最優秀作品賞)を受賞した。

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 ゲスナーさんが調布市せんがわ劇場(調布市仙川町1)の立ち上げに尽力し2011年まで芸術監督を務めた縁で、同じ安藤忠雄ストリートにある同館で公演することになった。同劇団はこれまでも、神社の境内や寺の本堂、ホテルのテラスなどさまざまな空間で芝居作りを行ってきた。同公演を鑑賞した観客は「幅がなく奥行きがある変形空間での演劇は新鮮だった。客席と同じ床や階段、3階など、立体的な演出も目を引いた」と話す。同館では12月23日まで「『琳派(りんぱ)』今様(いまよう)椎橋和子の世界」を開催。展示された絵画作品も舞台装置の一部になっている。

 「フェードル」は、フランス人劇作家ジャン・ラシーヌ作の古典悲劇の名作。ギリシア神話をモチーフにした王妃フェードルのむくわれぬ愛は、社会における女性の悲劇性を表している。ヒロインの侍女を演じた松尾容子さんは「女性の情念を感じてもらえたら」と話す。

 ゲスナーさんは「古典作品だが現代の女性にも通じるパワーがある。美術館での上演はチャレンジだったが、椎橋さんの作品はこの劇によく合う。1月から別の作品が展示されるので新しいムードになるかも。それもロングランの良さであり、続けることで作品も熟成するだろう」と話す。

 公演日は、11月9日・10日・23日・24日・12月7日・8日・21日・22日・1月13日・14日・25日・26日・2月8日・9日・22日・23日。時間は、全公演19時~21時。チケット料金は、前売り=一般4,500円、学生3,000円(うずめ事務所のみ販売)、当日=5,000円。販売は、カンフェティチケットセンター(TEL 0120-240-540)、うずめ事務所(FAX 03-3309-7572)。