東日本大震災で大停電した仙台市の夜空を再現し被災した人たちの思いをたどるプラネタリウム番組「星空とともに」が3月10日、府中市郷土の森博物館プラネタリウム(府中市南町6、TEL 042-368-7921)で特別投映される。
上は2011年、下は2018年の「南三陸町防災対策庁舎」周辺。 2011年は瓦礫に囲まれていたが、2018年は周りがかさ上げ工事され3階だけ見える。
同番組は仙台市天文台(仙台市青葉区)が被災地の天文台として震災とどう向き合うか考え、当時人々がどんな思いで星空を見上げていたのかを伝え、震災を忘れないでいてもらうきっけになればと、2012年に制作された。地震発生の14時46分から吹雪、日没、満天の星、翌朝の日の出までを再現しながら被災者の言葉を紹介する。
府中市郷土の森博物館プラネタリウムには、当時仙台市天文台に勤務し同番組制作に関わったスタッフと、毎年ボランティアに行き現地の人々と触れ合い復興を見続けているスタッフがいる。特別投映では、当時仙台市天文台に勤務していたスタッフが経験した震災の様子と番組について語る。
本館「天文展示コーナー」で現在、特別展示「被災地の方の想いをのせた写真展」を開催中(無料、17日まで)。津波により赤い鉄骨だけが残った南三陸町防災対策庁舎周辺の2011年と2018年の写真などを展示し、震災当時と現在を伝える。ボランティアを続けているスタッフも企画に加わり、実際に聞いた岩手・宮城・福島の人々の声や被災地の移り変わりを伝える。
担当者は「震災から8年がたち被災地は変化しているが、心の復興はまだまだ進んでいない。そんな状況を知り震災を忘れずに心に刻んでいくために今一度、特別投映と特別展示で『あの日』を振り返ってもらえれば」と話す。
特別投映は16時~16時50分。博物館入場料(一般=300円、中学生以下=150円、4歳未満無料)のみ。整理券は当日9時からミュージアムショップで配布。定員187人。