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三鷹・国立天文台が「アインシュタイン塔」内部を特別公開 国の登録有形文化財

「アインシュタイン塔」と呼ばれる太陽塔望遠鏡。上部のドーム部から太陽光を取り込み、特殊な鏡で反射させ半地下(右下に茂る植物の向こう側)にある暗室へ導き、スペクトル観測する ©国立天文台

「アインシュタイン塔」と呼ばれる太陽塔望遠鏡。上部のドーム部から太陽光を取り込み、特殊な鏡で反射させ半地下(右下に茂る植物の向こう側)にある暗室へ導き、スペクトル観測する ©国立天文台

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 国立天文台(三鷹市大沢2)は春の文化財イベントの一環として3月23日・24日、「アインシュタイン塔」と呼ばれる太陽塔望遠鏡の内部を特別公開する。

太陽塔望遠鏡の塔上部にある、平面鏡2枚による「シーロスタット」。1960年代半ばに役目を終えてからは長い眠りについていたが、アーカイブ室によってドームの改修、駆動機構の改修が行われ、2013年に機能が復活した ©国立天文台

 同天文台の前身である東京天文台は1924年(大正13)年、当時の東京府麻布区板倉町(現・港区麻布台)から北多磨郡三鷹村大澤(現・三鷹市大沢)へ移転した。現在の三鷹キャンパスには当時の面影を残す場所や施設があり、なかでも大正期から昭和初期にかけての近代建築として保存されるべき10件が国の登録有形文化財に登録されている。

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 1998年7月に登録された太陽塔望遠鏡は、東京帝国大学営繕課が設計、中村工務所が施工、1930年(昭和5)年に完成した。構造は鉄筋コンクリート造り、地上5階、地下1階建て、地下のみ1926年(大正15)年完成。建物の外観は直線的な四角で構成されているが、入り口・ひさし・屋上のバルコニーに曲線を採り入れたところに設計者の感性が感じられる。外壁の茶色のスクラッチタイルは、焼きむらによる色の違いを巧みに組み合わせて貼っている。

 高さ20メートルの塔上部にあるドームから太陽光を採り込み、シーロスタットと呼ばれる平面鏡2枚に反射させ北側に続く半地下の暗室へ導き、分光器を通してスペクトルを観測する。塔全体が望遠鏡の筒の役割を果たすことから「塔望遠鏡」ともいう。ドイツ・ベルリン市郊外にあったポツダム天体物理観測所のアインシュタイン塔と同じ研究目的で造られたことから「アインシュタイン塔」とも呼ばれる。

 同キャンパスは見学コースを整えている(12月28日~1月4日を除く毎日)が、アインシュタイン塔の公開は外観のみで入場できない。両日は、解説員による説明を聞きながら建物の内部を見学できる。晴れていれば太陽のスペクトルも見られる(10時~15時ころ)。

同普及室では「この機会に貴重な文化財の内部を見学し、天文研究の歴史を感じていただければ。直視分光器を使ったスペクトル観察の体験も楽しんで」と話す。

 見学は無料(事前申し込み不要)。見学時間は10時~17時(入場は16時30分まで)。通常の見学受付を済ませた後、太陽塔望遠鏡へ直接行く。問い合わせは同天文台(TEL 0422-34-3688、平日9時~18時、「文化財イベントについて」と伝える)。駐輪場無料、駐車場有料。

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