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調布で移動式電力自立小屋が完成 延べ200人の支援者と製作、展示イベントも

完成した木製トレーラーハウス「移動式えねこや」

完成した木製トレーラーハウス「移動式えねこや」

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 一般社団法人「えねこや」(調布市深大寺北町2、TEL 042-483-8686)が製作を進めていた太陽光発電パネルと蓄電池で電気を自給自足する木製トレーラーハウス「移動式えねこや」が完成した。展示イベントが5月25日・26日、調布市文化会館たづくり(小島町2)で開催される。

「移動式えねこや」ワークショップの様子 参加者が協力して壁を建てる工程 撮影:水野眞奈実

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 自然エネルギーだけで心地よく過ごせる建物「えねこや」の普及を提案する同団体が、より多くの人に自然エネルギーでの生活を体験してもらうため、電力を自給自足する木造の「動くおうち」を建築するプロジェクト。建築費の一部にクラウドファンディングで支援を募り、小屋の組み立てや太陽光発電パネルの設置などを行うワークショップへの参加券を返礼品の一つとして用意。目標額を上回る120万円超が集まった。

 ワークショップは4月の毎週土曜に深大寺境内の深沙の杜(じんじゃのもり)で開催され、オフグリッド(電力自立)やトレーラーハウスに興味のある人、地域の人など、延べ約200人が参加。第1回は床パネルをシャーシ(タイヤ付スチール製車台)に固定して壁を建て、第2回は外壁板を張って断熱材を設置。新緑の境内にくぎ打ちの音が響き渡った。第3回には内外装に柿渋を塗装して太陽光パネルを設置し、最終回にはオフグリッドの現状や蓄電池・ペレットストーブの仕組みなどのレクチャーを行い、同日午後に行われたお披露目会には約80人が参加して、曇天の中、点灯式が行われ、自然エネルギーによる発電を体験した。

 参加者からは「寄付するだけでなく、製作に携れたのがうれしい」「あっという間の1カ月で終わってしまうのが寂しい」「予想以上におしゃれで豪華」「本当の豊かさとは何かを考えさせられる」などの声が聞かれた。

 同イベントは、さまざまな市民活動の発表の場として開催される「たづくりまつり2019」の一環で、市民団体「原発のない暮らし@ちょうふ」が主催し同団体が協力する形で、同会館前東側広場で移動式えねこやの実物展示をするほか、日本の原発の状況やオフグリッドハウス「えねこや」についての展示、製作過程を映像で振り返りながら「移動式えねこや」の活用について考えるミニセミナーなどを開催する。今後は地域や学校などでのエネルギー教室、カフェ、ミニシアターなど広くアイデアを募り活用していく予定。

 同団体代表理事の湯浅剛さんは「多くの方にご支援、ご協力いただき、感謝の気持ちでいっぱい。多くの皆さんとつながれたことに大きな意味を感じている。今後はこの移動式えねこやをさまざまなところに持っていき、特に若者や子どもたちに再生可能エネルギーをより身近に感じてもらえるような機会をつくっていけたら」と話す。

 展示時間は、25日=10時~18時、26日=10時~15時を予定。ミニセミナーは、25日14時~15時、同会館南ギャラリー特設ステージで開催予定。

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